チーズ/季節・シーン別おすすめチーズ

日本大活躍!モンディアル・デュ・フロマージュ2013(2ページ目)

フランス中西部の町トゥールにて、チーズと乳製品の見本市、モンディアル・デュ・フロマージュが開催されました。そこでの2つのメインイベント、「世界チーズコンクール」と「世界最優秀フロマジェコンクール」にて日本のチーズと日本人が大活躍!!その様子をお伝えいたします。

小笠原 由貴

執筆者:小笠原 由貴

チーズガイド

銀賞受賞!「三良坂フロマージュ」の「フロマージュ・ド・みらさか」

モンデュアル・デュ・フロマージュのチーズコンテストで、数ある実力派のチーズの中、見事銀賞を受賞したのが、三良坂フロマージュの「フロマージュ・ド・みらさか」。豊かな自然の恵みを最大限に生かしたチーズ作りを実践されている「三良坂フロマージュ」さんについてご紹介します。

「三良坂フロマージュ」について

三良坂フロマージュは、広島県の内陸、標高約300mの三良坂町に位置するチーズ工房。2004年に松原正典さんと奥様の郁衣さんご夫婦で創業し、2013年の今年、10年目迎えます。松原さんは、日本はもちろん、アメリカやオーストラリアでも様々なタイプの酪農を学ばれてきました。効率を第一に考えた大規模農場でも働かれたそうですが、その中で見たのは、幸せでない家畜の姿。これは違う、と感じた松原さんがご自身で始められたのが「三良坂フロマージュ」です。

三良坂フロマージュ

松原さんご夫妻が営む「三良坂フロマージュ」

松原さんがまず第一に考えたのが「家畜たちを幸せにする事」。そのために、現在飼ってらっしゃるアルパイン種の山羊とブラウンスイス種の牛を1年を通じて山地酪農という自然放牧で育てています。また、穀物等の濃厚飼料を主に与えず、その土地に生えている草や干し草を主体に食べさせています。そうする事で搾乳量はぐっと減りますが、動物たちが健康で強い体になり、ミルクの質も良くなります。その結果として、美味しいチーズが出来上がるのです。ヨーロッパのチーズ農家そのものの考え方ですが、フランスやイタリアでもチーズ作りを学ばれたという松原さんらしいこだわりです。

三良坂フロマージュでの山地酪農の様子

三良坂フロマージュでの山地酪農の様子。牛や山羊たちは自由に青草を食んでいます。

三良坂フロマージュから出品されたチーズたち

三良坂フロマージュでは、チーズコンテストに以下3種類のチーズを出品しました。
どれも高品質で、すでに日本で高く評価されている商品です。また、「日本独特の全く新しいチーズ作り」を目指している松原さんらしさを感じる印象的なチーズたちです。

◆「フロマージュ・ド・みらさか」 ~銀賞受賞!~   
柏の葉に包まれた柔らかな「フロマージュ・ド・みらさか」。フランスのサン・マルスランとバノンをヒントに作られた牛乳製チーズです。原料に山地酪農、完全放牧のブラウンスイス種のミルクを100%使用した、三良坂フロマージュ自慢の商品。うっすらと白かびを纏ったこのチーズは、柏の葉で包まれて6週間ほども熟成。その結果、とろりと柔らかく旨味も濃厚に仕上がります。柏の葉の懐かしいような香りも日本らしいチーズです。

食べる時は、チーズをスプーンですくい、クラッカーやバゲットに塗ったり、ドライフルーツなどと一緒にいただくのがおすすめ。もちろん、赤ワインとの相性も抜群です。
柏の葉で包まれた「フロマージュ・ド・みらさか」

柏の葉で包まれた「フロマージュ・ド・みらさか」

フロマージュ・ド・みらさか。熟成が進んだものにナイフを入れると、とろりと流れ出す

フロマージュ・ド・みらさか。熟成が進んだものにナイフを入れると、とろりと流れ出す

◆「柿」
2011年のAll Japan ナチュラルチーズコンテストで審査員特別賞を受賞したチーズ。見た目は柿そのもの。オレンジ色のチーズの上に柿のヘタが乗り、さらに周りは柿の葉で包まれています。一度見たら忘れられないインパクトのある商品です。

ベースとなっているのは、クロタンのような山羊乳チーズ。それを洗いながらじっくりと熟成させるうちに柔らかくなって旨味も増し、リンネス菌の働きで、自然とこっくりとしたオレンジ色に色づいていきます。シェーブルのウォッシュという発想も斬新ですが、日本のチーズならではのこのルックスはさすがですね。なお、「柿」は秋のみの季節限定商品です。
柿

まるで本物の柿のようなチーズ「柿」

◆「フロマージュ・ブラン・なつみ」
濃厚ヨーグルトのようなフレッシュチーズ「フロマージュ・ブラン」に、大三島の花澤家族農園の無農薬栽培柑橘果実「なつみ」のコンフィチュールを混ぜたチーズ。柑橘の爽やかな風味とミルクの香りが美味しいチーズです。パンに塗るのはもちろん、そのままスプーンですくっていただいても美味。

なお、「なつみ」は5月限定商品。月ごとに、いよかん、ブラッドオレンジ、ネーブル、みかん、桃、いちじく・・・と、旬の果物を使った商品に変わります。
フロマージュ・ブラン・なつみ

フロマージュ・ブラン・なつみ

なお、三良坂フロマージュでは、その他にも数種類のチーズを製造しています。どれも「山地酪農」の放牧牛乳、放牧山羊乳、三良坂町内の搾りたて生乳のいずれかを使って作られた本物のチーズたちです。ご興味ある方はぜひ一度お試しください。

三良坂フロマージュ商品の購入方法

三良坂フロマージュまで直接お電話・Fax、メールにてご注文ください。
電話&Fax:0824-44-2773
メール:info@m-fromage.com
※詳しくはこちらまで→http://www.m-fromage.com/onlineshp.html

三良坂フロマージュ
住所:広島県三次市三良坂町仁賀1056-12
営業時間:10:00~17:00
※商品が品切れになった場合は早めに閉店することがあります。
定休日:日曜日(他に臨時休業あり)
Tel&Fax:0824-44-2773
Email:info@m-fromage.com
HP:www.m-fromage.com

※取材協力:三良坂フロマージュ

次のページでは、チーズコンテストで見事金賞を受賞した「チーズ工房タカラ」さんについてご紹介いたします。
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