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リチャード・ウィンザー×大貫勇輔インタビュー!(2ページ目)

2008年、ロンドンで初演を迎えたマシュー・ボーンの『ドリアン・グレイ』。オスカー・ワイルド作『ドリアン・グレイの肖像』を現代に置き換えたマシュー・ボーン演出振付けの衝撃作です。時を経て2013年夏、『ドリアン・グレイ』が東京に上陸! 上演に先駆け、主演のリチャード・ウィンザーさんと大貫勇輔さんのインタビューをお届けします。

小野寺 悦子

執筆者:小野寺 悦子

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Q:リチャードさんは2008年の初演時にオリジナルキャストとして出演していますね。その創作法とはどんなものだったのでしょう?

リチャード>まずマシューと僕たちキャストが一緒になって、ワークショップをやりました。その時付けていたタイトルは『ロミオ&ロミオ』。二人の男性をどうダンスさせるか、身体性とセクシャルな意味も含めて、それが可能かどうか探求したかったんです。男性同士でリフトをしたり、芝居をしたり、さまざまな試みを行いました。結果として、非常にいいものができました。こんなに上手くいくものかって、ある意味すごくショックでしたね。そこからは僕とマシューだけでワークショップを重ねて、ドリアン・グレイというキャラクターを進化させていきました。マシューはコラボレーションが大好きで、僕にも大きなチャンスを与えてくれるんです。オリジナルキャストには多彩な経験と才能を持ち合わせた人たちが集まり、マシューはその全てをまとめて創作していきました。彼は物語を伝える天才なんです。現代に置き換えて『ドリアン・グレイ』を作ることができる、ただ一人の人だと思います。

Q:時を経て同じ役を演じる心境はいかがですか?

リチャード>最後にドリアン・グレイをやったのは2009年でした。また
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『ドリアン・グレイ』過去公演写真より

役に戻りたいけれど、素晴らしい思い出を壊したくないという気持ちもあります。でもいろんな経験を経た今だからこそ、マシューに全く新しいものを捧げられると思っていて。前回までのドリアン・グレイとはまた違うものになると思います。同じストーリーですけど、同じ感情の起伏はない。キャラクターとの関係性もあるので、きっと違う面がたくさん出てくるでしょうね。

大貫>僕にとっては初めての役だけど、やったことのある人がそばにいるというのは心強いですよね。イマジネーションが与えられるというか、気づきがある分、凄くやりやすい気がします。リチャードのドリアン・グレイを見て何かを得ながら、ただついて行くのではなく、僕も一緒に新しいドリアン・グレイを作るくらいの気持ちでやるつもり。僕が目指すのは、常に美しい、どんなときも美しいと感じてもらえるようなドリアン・グレイ像。残酷なシーンでも美しい、気持ち悪いシーンでも美しい、エロくても美しい。美しさとその対局にあるものを感じさせるものができたらと思っています。

リチャード>同じキャラクターに向かって、勇輔と役を進化させていきたいと思います。そして、僕自身も再発見したい。一生懸命稽古をして、特別なステージにしたいですね。

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