フィンランド最北端のリゾート地、キルピスヤルヴィの魅力とは
キルピスヤルヴィの湖の上に浮かぶ、フィンランド・スウェーデン・ノルウェー3国の国境点を示すモニュメント。もちろんパスポートは要らない
フィンランドのラップランド地方には、どこを切り取っても絵になるような、厳しくも美しい雄大な自然世界が広がっています。その西側の最北端に位置する村キルピスヤルヴィ(Kilpisjärvi)は、極北ならではの独特な自然の姿を拝めるリゾート地として、「果て」にロマンを感じ、はるばる足を運ぶ人が近年増えているのだとか。
夏は湖も溶け、美しい緑が揺れる
最北端と言えども、一年中雪や氷に閉ざされているわけではありません。遠方には万年雪を被った山もありますが、少なくとも春から夏にかけては湖の氷も溶け、涼しく過ごしやすい気候になります(ただし朝夕は冷え込むので注意)。冬場はやはり気温がマイナス30度台まで冷え込む日も多く、一面雪で覆われますが、さまざまなウィンタースポーツ・アクティビティやオーロラウォッチングを楽しむことができます。また夏から冬への短い移行期には、ラップランド地方名物の燃え盛るような紅葉に出会えます。夏は5月上旬から8月いっぱいまで、日がまったく沈むことのない白夜が続きます。
稜線がとても緩やかで、しかも途中まで歩きやすい木のステップが続いているサーナ山登山は夏の定番アクティビティ
キルピスヤルヴィならではの2大観光資源といえば、フィンランド・スウェーデン・ノルウエー北欧3国の国境が一点に接するという国境点と、村のどこからでもその美しい稜線を眺めることができるサーナ山(Saana tunturi)。
国境点は湖の上にひっそりと位置しているため、ボートと徒歩でアプローチします。パスポート無しに10秒ほどで3国一周でき、しかも国をまたぐからと言って途切れるわけのない悠久の自然景観を眺めて感極まるという人も多いようです。サーナ山のハイキングが楽しめるのは雪のない夏のうちだけですが、緩やかな斜面を登ってゆくうち、森林限界に達して月面のような荒涼とした世界に入ってゆくスリルや興奮が味わえます。
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