少女は二度死ぬ (1st)
ガイド:1stアルバム『少女は二度死ぬ』(2008年)からは、(track 3)「女の子戦争」、(track 4)「セーラー服を脱がないで」、(track 5)「水玉病」。特に「水玉病」は、僕の中ではアーバンギャルドのイメージを決定的にしてくれました。それ以来、水玉系のモノを見ると、この歌が思い浮かびます。草間彌生さんの作品を見ても、カルピスのパッケージを見ても(赤いのもあります)、初詣に行っても。これは、実際、誰かが本当にこの病にかかっていたのでしょうか?
松永:
水玉病にかかっていたのはアーバンギャル(アーバンギャルドのファンの総称)です!或る時ライヴ中に客席を見たら、よこたんの水玉ワンピースのコスプレをした女の子たちが何人かいて、あ、病んでると思ったんですね。で「水玉病」という病の存在を発見した。水玉には個性的でありながら、みんながそれを身に着けることによって個性を塗り潰してしまう作用もある。このアンビバレンツが非常に少女的だしアーバンギャルドっぽいと思ったんです。
浜崎:
「個性」は「無個性」だと思ってます。ファッションでもなんでもジャンル分けがなされる世の中で、どう着飾ってもそのカテゴリの中のひとつにしかなりえない。「普通」というのは人々の理想なのではないかと。「普通」という理想を掲げてそれを平均化することで自分の立ち位置がわかる。だから私は制服が好きなんです。皆同じ服を着ることによって、その人のもって生まれたものが浮き上がるあのさまが好きで。それを踏まえたうえで特定のモチーフを見て思い出してもらえることって本当にありがたいなあ、と思います。たとえそれが、病だとしても。
ライヴ初めてで控えめの性格のかたには最前付近はオススメ出来ません
ガイド:「ベビーブーム」は初収録ですが、アーバンギャルドのライヴに行くいい子の皆さんは知っているはずの定番ですね。Yahoo知恵袋でこんなかわいい質問を見つけました。
回答の中に「ただライヴ初めてで控えめの性格のかたには最前付近はオススメ出来ません(笑)。序盤の方でベビーブームという曲が流れると松永さんが避妊具を投げます。」という発言を見つけて、爆笑!
バンドとしてもぜひアドバイスを!
松永:
避妊具は是非キャッチして下さい。飛距離との関係で、最前列よりも三列目ぐらいがとりやすいと思います。
「ベビーブーム」は歌詞の内容にしてもサウンドにしても一般的に持たれているアーバンのイメージからかけ離れているしキャラクターが濃すぎるのでライヴの定番曲にもかかわらずオリジナルアルバムに入れるのは躊躇していたのですが、今回はベストということでディープなものも見せようと(笑)収録を決意しました。これは演劇やってた頃の僕のアングラ精神が濃厚に反映された曲ですよね。かわいさのかけらもない(笑)。音源だけ聴いてたファンが初めてライヴに来て、踏み絵になるような曲(笑)。本当はライヴでコンドームを投げるシーンで実際にステレオなりiPodなりがパカッと開いてコンドームが飛んでくる仕組みを作りたかったのですが、現代の科学技術では難しかったみたいです。ざんねん。
ガイド:
そうそう、宗像さんのワンマンライヴ「鬱だ一番!アーバンギャルドまつり~いつ病むの?今でしょ!アンコール~」のレポートで読んだのですが(僕は行けませんでした)、「ベビーブーム」の替え歌の「キャットブーム」も歌ったんですよね。よこたんの愛猫についてだと想像するのですが、やっぱり何かバラまいたのですか?
浜崎:
愛猫ソレイユの大好きな猫のおやつ(小袋包装)を投げ与えました。