中央市場の嗜好に合わせた辛口「酒呑童子」
11代目中西社長。穏やかで優しい語り口だが、芯は強い
11代目当主中西さんにも話をうかがった。「昔からここの地元は甘口嗜好なんです。ロングセラーの「白嶺」ももとは日本酒度マイナス(甘口という意味)でした(現在の白嶺ブランドは±0~+2程度)。獲れたてであまり手を加えないある意味質素な食材(魚)や料理に甘口の酒を合わせるというのは贅沢だったんです」
獲れたて新鮮な魚介にはきりりと引き締まった辛口酒かと思いきや、昔は甘いものが少なかった時代、なめらかで旨味のある酒は確かに贅沢に感じたのだろう。
「しかし、東京の辛口嗜好の市場をめざし辛口を造りました。雑誌「酒」編集長の佐々木久子さんのアドバイスを頂戴し生まれたのが「酒呑童子」で、最初のリリースは昭和51年です」と社長。
酒呑童子は辛口スタイル
当時、山廃仕込みの本醸造は、大阪国税局(この地域を管轄する国の組織)管轄内でハクレイ1社のみだったとか。由良ヶ岳を含む広大な大江山連邦には昔から鬼退治伝説がありそこから酒呑童子の名前が生まれたのだとか。大辛口は+13~+15。たんに辛いだけではなく旨味が乗ったバランスのいい飽きない辛口で、人気ナンバーワンの商品だ。昔話とともにあなたの周りの酒呑童子さんにもお勧めしてみてはいかがだろう。
時代は甘口? 地元に愛される伝統の「京女」
京女は甘口スタイル
ハクレイの本領発揮と言いたいのがこちらの甘口酒「京女」。新潟系の淡麗辛口ブーム、その後の濃淳辛口ブーム以来、依然辛口嗜好が続いているなかで着実にファンがついている。酒呑童子が愛した京女にちなんで命名された。日本酒度は-5~-7。人気の理由は濃すぎないすっきりした甘さと後を引く滑らかさ。昔の酒が大好きだった私の父もこの京女のファンだった。こんなうまい酒他にないと痛飲愛飲していたものだ。
また、中西社長によると今年の初呑み切り(新酒のきき酒会)では、甘口酒の評価が高いとのこと。どうやら味わいのトレンドは甘口に向かっているようだとおっしゃる。昔から景気がいいときは辛口が飲まれ、景気が悪いと甘口が好まれるというが、さてアベノミクスと酒の味わい、どう関係してくるか……。
初呑み切りで評価の高かった酒はこちら
夏のおすすめは、原酒のオンザロック!
杜氏の須川さん。夏の一押し「ひや」を手に
この夏のおすすめはなんといっても「夏原酒 ひや」。アルコール18~19%の原酒でオンザロックでおいしい夏の酒だ。超軟水仕込みのきめ細かい舌触りで暑さを吹き飛ばしたい。さらに、爽やかなスパークリング・リキュールもいい。苺や生姜、ゆず風味が揃う。アルコール5%前後なのでお酒が苦手な方にもいいし、喉が渇いた時の一杯、女子会の乾杯酒にもよさそうだ。
彩も鮮やかなスパークリングたち。夏らしい!
ハクレイ酒造HP
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