セクシュアルマイノリティ・同性愛/ゲイシーン

日本初の同性愛者であることを公にした国会議員が誕生(2ページ目)

5月23日、日本初の同性愛者であることを公にした国会議員が誕生しました。元大阪府議でレズビアンであることをカミングアウトした尾辻かな子さんは2007年、参院選全国比例区にチャレンジするも、惜しくも当選には届かず……だったのが、約6年の時を経て繰り上げ当選したのです。今回は「プライド月間」にふさわしく、尾辻かな子参議院議員へのインタビューをお届けします。

後藤 純一

執筆者:後藤 純一

同性愛ガイド

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あきらめずにチャレンジすれば、いつか奇跡が起こる

参議院会館の議員室

念願の国会議員になった尾辻かな子さん。入ってまだ1週間の参議院会館議員室(事務所)にて。

——当選おめでとうございます! まずは、今のお気持ちを聞かせてください。

これは夢じゃないか、白昼夢じゃないかと思うくらい、今いる世界が今までとぜんぜん違うので、そのあまりの違いに戸惑うような気持ちですね。

——6年前に残念ながら当選に届かないということになったときは、こういう日が来ることを誰も予想してなかったですよね。順位的にも。

20人当選で29位でしたからね。どう転んでも繰り上げはないと思っていました。

——6年前を振り返ってみると、毎日レズビアンやゲイなどのセクシャルマイノリティの当事者や、共感してくれた支援者の方が事務所に来て作業をしたりビラを撒いたり…全国各地でいろんな方が応援してくれて、コミュニティが一丸となってがんばった選挙でした。本当にがんばったけど、当選できず、みんなで悔し涙を流した。それが6年の時を経て報われたという感慨があります。

本当にそうですね。そしてあのとき「尾辻かな子」と書いてくださった3万8230人もの方たちの、1票1票のおかげです。1票が生きた!という喜びを分かち合えることのうれしさ。なんだかんだ言っても選挙は勝つか負けるかなので、当選したということが応援してくれた方にいちばん喜んでいただけることだというのは間違いないと思います。あのがんばりがむだにならなかった。意味をもったということが本当にうれしいです。

——繰り上げ当選がわかったときのことを教えていただけますか?

5月初め頃、大江康弘さんという方が議員を辞職して自民党から出るという報道がありました。それまでに26位の人が繰り上がっていました。それでも間に27位と28位の人がいるわけで。そしたら室井邦彦さんが辞職して他党から出るということになって。で、室井さんは兵庫県の方なので、神戸新聞の1面に掲載されたのです。父親が朝、新聞を見たら「尾辻かな子さん繰り上げ当選」って書いてあって、母親に「かな子が通るぞ~」って。それで朝6時50分くらいに母から「繰り上げ当選、おめでとう!」ってメールが来て。「何のこと?」と思いながらネットを見たら「本当だ!」と。突然でした。

——27位と28位の方はすでに党籍がなかったんですよね。そういう意味では、尾辻さんがずっと民主党で政治活動を続けてたこともよかった。完全にやめちゃってたら、回ってこなかったかもしれないですよね。

そうですね。ふつうこんなことって起こらないじゃないですか。あきらめなくてよかったなって思います。本当にドラマチックすぎて、その物語に自分がいることに違和感を覚えつつ。奇跡だよねっていう。ある落選議員の方が「リングに上がることってすごく大事なんやな~」ってしみじみ言ってたんですが、本当にそうだなと思いました。流れって誰もが予測しない方向に変わっていく。そして、5年10ヵ月かかったということが、日本の現状を表している。象徴的だなって思います。

——なるほど。一朝一夕では変わらないけど、そこでねばってねばって踏ん張っていれば、いつか花が咲くこともある。

私は種を撒いただけで。6年前のチャレンジの後、いっしょに選挙をやっていた方たちが、いろんなところで活動していますし、いっしょに成長している、それだけでもすごくよかったと思っていて。そのうえさらにサプライズがあって、本当によかった。
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