さて今回は、洗顔の後半である「洗顔料による洗顔」におけるお薦めの方法をご紹介します。
皮膚の汚れについて
皮膚に付着している汚れは、「体から出る汚れ」と「外部から付着する汚れ」に分けられます。具体的に、「体から出る汚れ」は皮脂、汗、そして角質片(いわゆるアカ)で、「外部から付着する汚れ」は、砂や土、花粉などのほこりや塵、そして化粧品です。
洗顔料による洗顔は、これらのうち化粧品(特にメイクアップアイテム)以外の汚れを落とすことを目的としています。
洗顔料を使う?使わない?
洗顔において意見が大きく分かれる点は、そもそも洗顔料を使用するかしないか、ということです。特に男性の中には、朝夜問わず洗顔料を使わず水洗いのみで洗顔をし、まったく問題なく過ごしている方も多くいます。しかし、日々、UVクリームやファンデーションを使用している女性達にその感覚を理解し実行してもらうのは困難です。実際、多くの洗顔料が発売されている現状から考えても、筆者は洗顔料を使用することを選びます。上手く洗顔料を利用し、本来洗顔の持つ意味、「皮膚を健やかに美しく保ち、その生理機能を活発にする」という有益な効果を得たいと思います。
洗顔料の選択
健康な皮膚の表面は弱酸性です。乾燥が強い皮膚のpHは高く、角質の本来持つべきバリア機能も低下しています。そのことからも、強いアルカリ性洗浄剤は、肌に悪影響を及ぼすと考えられます。また、汚れのうち、ほこり、塵、汗などは水溶性のため水で大部分が落ちますが、皮脂汚れや化粧品の脂溶性(油性)成分は水では落ちにくいため、洗浄成分として界面活性剤が用いられます。
この界面活性剤は、皮膚の余分な皮脂汚れなどを取り除いてくれる大切な成分です。それと同時に、皮膚のバリア機能を担っている「皮脂膜」、「天然保湿因子(NMF)」、セラミドを代表とする「角質細胞間脂質」をも除去してしまう、ということも覚えておきましょう。正しく洗顔をして、界面活性剤の良い効果だけを得ることが大切だと思います。
低刺激性石けんと言われるものが市場に多く出回っていますが、これは通常の石けんと比べて化学的に刺激が低いものを意味します。使用されている界面活性剤は、皮膚に近いpHで、弱酸性から中性、商品によっては弱アルカリ性なので皮膚への影響もより低刺激です。
洗顔の際の水
洗顔には軟水が適しています。一方、硬水は泡立ちにくいことが第一の難点です。また、皮膚へ刺激となったり乾燥を促すこともあります。幸いなことに、日本の水道からは軟水が出てきます。硬水が出てくる国に比べて、洗顔に適している環境と言えます。また、水の温度に関しても諸説ありますが、ぬるま湯をお薦めします。理由としては、冷水だと汚れはもちろん洗顔料自体も落ちにくく、高温だと油分が過剰に落ち過ぎてしまいます。
それではいよいよ本題、おすすめの洗顔法について。