本物の自然と共存する、素朴なムーミンワールドへようこそ!
絵本やアニメの世界に出てくるムーミン谷の光景や仲間たちがそのまま再現されたムーミンワールドは、夏のフィンランドを訪れるならぜひ足を運びたい場所
フィンランドといえばムーミン!というイメージを抱いている人は少なくないはず。ムーミンシリーズの作者、トーヴェ・ヤンソン(Tove Jansson/1914-2001)はヘルシンキ生まれのスウェーデン系フィンランド人。第二次世界大戦の最中、子どもに読み聞かせる絵本を所望していた友人のために描いたという『小さなトロールと大きな洪水』が発表されると、ムーミン(現地語でMuumi peikko/ムーミ・ペイッコ)という少し奇妙で愛らしいキャラクターはあっという間に国民的人気者に。お話もシリーズ化されて、本やアニメーションは世界中に広まっていったのでした。
ムーミンワールドの島までは、ナーンタリ本土から桟橋を歩いて向かう
まだトーヴェ自身も存命中の1993年、フィンランド南西部のリゾートタウン・ナーンタリの海に浮かぶ群島のひとつに、ムーミンワールド(Muumimaailma/ムーミマーイルマ)というテーマパークが開園しました。お話の中ではムーミン一家が暮らすのは「谷」という設定ですが、このムーミンワールドは、小さな無人島がまるごとテーマパークに仕立てられているというユニークな舞台設定。ナーンタリの街の中心街から、しばし桟橋を歩いて渡った先に、ムーミン谷ならぬムーミン島が見えてきます。
自然のなかに、お話で見覚えのあるさまざまな建物が再現されている
テーマパークと言えども、過剰に開発された従来のエンターテイメント施設とは対極的。島の自然を極力残して、本物の森や岩の狭間、岸辺などにさり気なくお話に登場する家や光景が再現されている……という、とっても素朴でミニマムな施設なのです。
キラキラ輝く海に囲まれた美しい自然のなかに溶けこむ木造の建物や散策道は、のどかで平和的なムーミンのお話の世界のイメージにぴったりでしょう!
憧れの仲間たちに会えるのは、夏の間と2月の特別ウィークだけ!
メイン小屋であるムーミンのおうち周辺に行けば、ムーミン谷の憧れの仲間たちが賑やかに出迎えてくれる!
ムーミンワールドが開園しているのは、毎年6月上旬から8月下旬にかけてのみ(2013年は6月8日~8月25日)。ただし、シリーズ中の作品名『Taikatalvi/ムーミン谷の冬』にかけて2月半ばにも1週間だけ特別オープンウィークがあります。それ以外の時期に訪れてもムーミンたちは冬眠中なのでご注意を。
お目当てのキャラクターたちに遭遇したら、大人でも恥ずかしがらずに「Moi!(モイ:やあ!)」と近づいて写真も撮ってもらおう!
開園中は、施設内のあちこちで、まるで絵本の世界から飛び出してきた愛すべきキャラクターたちに出会うことができます。特に常時メインキャラクターたちに会える可能性が高いのは、ムーミンワールドの中心部にあるムーミン一家のおうちの前。
劇場でのミュージカルに出演中のキャラクターは一時的に不在となりますが、ここに来ればおよそいつでも人気キャラクターが一斉に出迎えてくれ、一緒に歌を歌ったりダンスをしたり……といったミニパフォーマンスも繰り広げられます。大人も子どもも、恥ずかしがらずに積極的にアプローチして、身振り手振りでキャラクターとの交流や写真撮影を楽しんでください!
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