中国茶/おすすめの緑茶、黄茶、白茶

飲んでおきたい代表的な中国緑茶(3ページ目)

中国緑茶は、一目ですぐに分かるほど、色も形も異なるたくさんの種類があり、鑑賞するだけでも楽しいお茶。それぞれの個性が異彩を放ち、日本の緑茶とは異なる魅力を持つ中国緑茶から、代表的な3種のお茶をご紹介いたします。

久永 佳子

執筆者:久永 佳子

お茶・中国茶ガイド


碧螺春

お湯に入れるとふっくらしたもとの姿を見せる茶葉

お湯に入れるとふっくらしたもとの姿を見せる茶葉

碧螺春(へきらしゅん)は、中国十大銘茶のひとつで、江蘇省の洞庭西山、洞庭東山の丘陵部、果樹のそばで栽培されています。桃、柿、杏、蜜柑など果樹の下に育つ茶樹から作られるこのお茶は、かつて皇帝への献上茶だった緑茶。龍井と並んで、中国の代表的な緑茶です。

碧螺春という雅な名前は、翡翠のような緑色(碧)で、くるりとよじれた螺旋状の形(螺:巻貝の意)、そして春に摘むことから、清代の康熙皇帝が名付けたと言われています。

産毛に覆われたふわふわで細かな碧螺春

産毛に覆われたふわふわで細かな碧螺春

まだ産毛のたくさんある小さな新芽を一つ一つ丁寧に摘んで作られたこのお茶は、500gあたり約5万個もの茶葉が必要なのだそう。これほどの新芽を摘むのは、どれほどたいへんなことかと思いを馳せると、新芽一つ一つがとても愛おしく感じられます。

たくさんの産毛に覆われた細かな茶葉は、産毛が落ちないように優しく揉捻されています。この産毛があることで、極上の毫香を持ち、優しくなめらか飲み口で、果物を思わせる瑞々しい甘みと緑茶らしいほのかな渋みが感じられます。

三緑を鑑賞しながらゆっくりといただきたいお茶

三緑を鑑賞しながらゆっくりといただきたいお茶

ふんわり軽やかなこの茶葉は、上投法でいただくのがおすすめ。上投法とは、器にお湯を注いだ後に、上からそっと茶葉を入れる方法です。時間をかけてゆっくりと沈んでいくのを待ちます。徐々にお湯の温度が下がっていくので、低い温度でじっくりと甘みが引き出され、渋みを抑えて上品な味わいを楽しむことができます。

ガラスの器の中の茶葉は、生命力あふれる艶やかな明るい黄緑色。茶畑から遠い道のりを経て、こんなに美しい姿のまま目の前のグラスの中に存在するのが不思議なくらいです。

洞庭碧螺春も、歴史名優茶のひとつ。雪花飛舞と形容されるほど美しい茶葉が揺らぐ様子も鑑賞したいお茶です。
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