中国茶/おすすめの緑茶、黄茶、白茶

飲んでおきたい代表的な中国緑茶(2ページ目)

中国緑茶は、一目ですぐに分かるほど、色も形も異なるたくさんの種類があり、鑑賞するだけでも楽しいお茶。それぞれの個性が異彩を放ち、日本の緑茶とは異なる魅力を持つ中国緑茶から、代表的な3種のお茶をご紹介いたします。

久永 佳子

執筆者:久永 佳子

お茶・中国茶ガイド


龍井茶

龍の住む泉にまつわる様々な逸話が残っています

龍の住む泉にまつわる様々な逸話が残っています

中国緑茶の代表とも言える龍井茶(ろんじんちゃ)には、獅峰龍井、梅塢龍井、西湖龍井などがあり、中でも獅峰龍井が最高とされています。また、清明節の前に摘むお茶は明前茶と呼ばれ、極品として知られています。一芽一葉で摘み、その芽と葉が槍と旗に似ていることから一槍一旗とも言われます。一芽一葉で摘まれた茶葉を、釜に押し付けるようにして作られるため、扁平形といわれる平らな形をしており、やや黄色みがかっているのが特徴で、清代には黄金芽とも言われた美しさも鑑賞ポイントのひとつ。

龍井の名前の由来は、井戸の名前からきています。その井戸の名前が村の名前になり、お茶の名前にもなったといわれています。明代に、かんばつ対策として龍泓泉の側に井戸を掘ったところ、龍のような形の石が出てきたことからその井戸を龍井を名づけました。

美しい扁平形をした龍井の茶葉

美しい扁平形をした龍井の茶葉

押し葉のように平らな形をしている茶葉ですが、お湯を注ぐとやわらかな姿になり、萌黄色の茶畑を連想させる茶葉の美しさに癒されます。栗や豆に例えられるほっこりした香りと爽やかな旨みが感じられ、ほのかな渋みが心地よく、後味が清々しい緑茶です。

いちばん簡単な飲み方は、耐熱ガラスのコップでいただく方法。龍井茶に限らず、茶葉の形や水色(すいしょく)の美しさを重視する緑茶にはガラス茶器が重宝します。お湯が冷めやすいガラスの特性を利用して、低い温度でじっくり抽出する方法は、ゆっくりと開いていく茶葉の様子や、お湯の中で揺らぐ姿を鑑賞しながらいただけるので、外観の美しい緑茶にはぴったりです。

静かな山中で伸びやかに育つ龍井茶

静かな山中で伸びやかに育つ龍井茶

熱で水色の輝きを損なわないためにも、蓋をせずにコップでいただくのは理にかなっています。息をふきかけて、茶葉をよけながらいただきます。

西湖龍井は、歴史名優茶でもあります。名優緑茶は、三緑(さんりょく)と表現される、外観の緑、水色の緑、茶殻の緑の三要素も見どころ。四絶(色、香り、味、形が絶品)といわれる龍井茶で、優雅なティータイムをどうぞ。
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