ペット可マンションが探しやすくなっている
少し古い調査結果ですが、不動産経済研究所の調査によると、首都圏の新築マンションにおけるペット可マンションの普及率(全供給戸数に対する割合)は、2004年に5割を超え、2007年には86.2%に達しています。ペット可マンションのうち、ペット設備付きのものは57.4%(約3万戸)を占めていました。主な設備としては、「足洗い場」「汚物処理」「ペットサイン付きエレベーター」「グルーミング室」「ペットパーク」などです。一方、2013年6月17日時点で、ペット可の賃貸や売買物件(中古を含む)を紹介する「ペットホームウェブ」に掲載されている物件数は、賃貸で11万2206件、売買で14万6414件、合計で25万8620件でした。
ペット可の新築マンションの普及率が高まるにつれて、それが次には中古住宅市場で売買されるようになりますから、いまやペット可マンションを探すのは難しいことではないでしょう。
ペット可かどうか、マンションごとの「管理規約」で決まる
マンションでペットを飼う
基本は、マンションの「管理規約」でペット飼育を許容しているかどうかです。
ペット飼育に関するトラブルが多いことから、国土交通省は、マンションの管理規約のひな型となる「標準管理規約」のコメントで、「犬、猫等のペットの飼育に関しては、それを認める、認めない等の規定は規約で定めるべき事項」(細部の規定を使用細則等に委ねることは可能)であるとしています。
さらに、次のような規約案を例示しています。なお、いわゆるペットには、盲導犬や介助犬などは含まれません。
ペット飼育を容認する場合は、定めるべき必要がある項目として、以下の例示があります。ペットの飼育を禁止する場合(ペット飼育の禁止)
第○条 区分所有者及び占有者は、専有部分、共用部分の如何を問わず、犬・猫等の動物を飼育してはならない。ただし、専ら専有部分内で、かつ、かご・水槽等内のみで飼育する小鳥・観賞用魚類(金魚・熱帯魚等)等を、使用細則に定める飼育方法により飼育する場合、及び身体障害者補助犬法に規定する身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬及び聴導犬)を使用する場合は、この限りではない。
ペットの飼育を容認する場合(ペットの飼育)
第○条 ペット飼育を希望する区分所有者及び占有者は、使用細則及びペット飼育に関する細則を遵守しなければならない。ただし、他の区分所有者又は占有者からの苦情の申し出があり、改善勧告に従わない場合には、理事会は、飼育禁止を含む措置をとることができる。
・動物等の種類及び数等の限定
・管理組合への届出又は登録等による飼育動物の把握
・専有部分における飼育方法、共用部分の利用方法、ふん尿の処理等の飼育者の守るべき事項
・飼育に起因する被害等に対する責任の規定
・違反者に対する措置等の規定
したがって、ペット飼育の実態は、どういった細則が設けられているかによって、大きく変わることになります。
>次ページからは、具体的な細則や設備のチェックポイントについて見ていきましょう。