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マンション用語集 SIマンション

マンション用語集 - SIマンション

大森 広司

大森 広司

マンション入門 ガイド

30年以上にわたり住宅市場や不動産業界を取材。物件の選び方や買うときの注意点、住宅ローン、各種税制、住宅マーケットの動向などをわかりやすくお伝えしています。

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SIのSは「スケルトン」の頭文字で、建物の柱や梁、構造壁などのいわゆる構造躯体のこと。Iは「インフィル」の頭文字で、内壁や内装、給排水管など中身を指す。骨組みのスケルトン(S)はより丈夫で長持ちするように、内側のインフィル(I)は、ライフスタイルの変化に合わせ、柔軟にリフォームできるようにしたのがだ。

SIマンションでは床下に十分な高さを取り、排水管を自由に動かすことができるため、従来のマンションでは制約の多かった水回りの移動にもフレキシブルに対応できる。最近ではもともとワンセットであった構造躯体(共用部分)と各住戸の内部(専有部分)の所有を分けて考えようという動きもうまれつつある。

この考え方が浸透すれば、いずれは、I(インフィル)だけを購入するということもあり得る。Sは定期借地権(あるいは定期借家権)として50年程度借りることにして、Iだけ購入することにすれば価格はぐっと抑えられるはず。いずれ、新しいタイプのSIマンションが登場するかもしれない。

とはいえ、現在のところSIマンションとうたっている物件でも、所有形態は通常のマンションと変わらないケースがほとんど。間取りや仕様をいくつかのパターンから選べる「メニュープラン」や「セレクトプラン」と実質的に大差ない場合も少なくない。

また、SIマンションで注意したいのが音の問題だ。通常のマンションは水回りの位置を上下階でそろえたり、隣り合う住戸の水回り同士をくっつけたりして給排水の音が居室に響きにくくするよう配慮しているケースが多い。だが、SIマンションで「水回りも含めて間取り自由」とすると、隣の住戸の寝室と自分の住戸の浴室が隣接してしまうこともあり得るのだ。

さらにコストの問題もある。SIマンションは二重床・二重天井にするために階高を高くしたり、共用の排水管を住戸の外に配置したりといった手間がかかるので、通常より建築コストが割高にならざるを得ない。ただし、家族構成の変化に合わせてリフォームしやすく長期居住に適しているので、長い目で見れば割安という考え方もある。
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