西方の文化が香る、バルト海・ボスニア湾の沿岸地域と群島
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19世紀初頭まで首都として栄えたトゥルクには、スウェーデンからの影響を受けた様式や文化が色濃く残る
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海も緑も輝く夏の群島エリアでは、セイリングやサイクリングによる島めぐりが人気のアクティビティ
バルト海・ボスニア湾の沿岸地域の代表的な都市とその見どころ
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日本人観光客にも大人気のムーミンワールドは、実はナーンタリという街の岸辺から橋で渡った小さな無人島をそのままテーマパーク化してある
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トゥルクのルオスタリンマキ手工芸野外博物館では、幸運にも街の大火災を免れた木造家屋群を活用
■ナーンタリ(Naantali)
トゥルクからバスで30分ほど西へ。本土から桟橋で渡った先の島の1つに、例年夏の間だけ開園するムーミンワールドがあることで知られるリゾートタウン。大統領の公式別荘もこの街にあります。
■ラウマ(Rauma)
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昔ながらの木造家屋が今も大切に保存され使われているラウマの旧市街
■ヴァーサ(Vaasa)
西海岸の中部にあり、スウェーデン語を第一公用語とする住民が多い都市。スウェーデンの統治下で、14世紀には要所として栄え始めていた街で、ヴァーサ教会など豪壮な歴史的建築も残っています。1917年の独立後に勃発した内戦の際には白軍(政府軍)が一時的に退避し臨時首都としていたことから、現在でも「白の街」と呼ばれたりもします。
■オウル(Oulu)
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桃色の壁が映えるケミ教会
■ケミ(Kemi)
オウルから海岸沿いにさらに100キロほど北上した街。優美な教会があるほか、毎年冬には世界最大級の雪の城が建設され、氷のベッドの上での宿泊体験もできることから世界中から観光客が集まります。
■トルニオ(Tornio)
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トルニオと、スウェーデンの隣町ハパランダの境にあるIKEAはなんと世界最北端の店舗
■オーランド諸島(Åland/Ahvenmaa)
もともと中世にヴァイキングが定住して開拓された島々で、生粋のフィンランド人が住んでいたわけではありませんでしたが、1809年にスウェーデンがフィンランドの一地域とみなしてロシア帝国に割譲してしまいます。1917年のフィンランド独立の際、住民たちはスウェーデンへの帰属を希望しましたが、最終的にオーランド諸島はフィンランドに帰属したまま自治権を得るというかたちで合意されました。こうした複雑な歴史背景が街のあちこちで感じられる今日のオーランドは、観光産業にも力を入れており、特に自転車とミニフェリーを駆使しての群島めぐり小旅行はこの地域ならではの人気のアクティビティです。