司法書士試験とは?

司法書士試験とは?

司法書士試験をはじめとする資格試験は、高校受験や大学受験などと異なり、「そもそもいつ試験が行われているのか?」という時期さえ知られていないのが通常です。その資格を目指す方以外には関係のないことですし、高校や大学のように「4月から新年度がスタートするため、試験を3月までに行う必要がある」ということもないため、資格によって日程はバラバラです。

そこで、この記事では、司法書士試験の基本的な情報(日程、試験時間・配点、試験科目・出題数)をご説明します。


司法書士試験の日程

司法書士試験は、例年以下の日程で行われます。
※日程は、法務省のWebサイトで発表されます。

司法書士試験・日程

司法書士試験〔日程〕


■願書提出期間(5月中旬)
期間は2週間弱です。願書は、法務局(※)や資格試験予備校で入手することができます。
※法務省の出先機関のことです。全国にあります。

■筆記試験(7月の第1日曜日)
1日限りで行われます。詳細は後述します。

■基準点などの発表(8月初旬)
平成23年度から、9月末~10月初旬の筆記試験の合格発表前(筆記試験の約1か月後)に択一の基準点(※)などが発表されるようになりました。
※基準点とは、要は足切り点のことです。択一の基準点はこの時期に発表されます。

■筆記試験合格発表(9月末~10月初旬)
筆記試験から約3か月後に合格発表がされます。

■口述試験(10月中旬)
筆記試験に合格した人のみ、口述試験を受けることができます。

■最終合格発表(11月初旬)
口述試験にも合格すると、最終合格となります。これで司法書士の資格を得られます。


日程のイメージをつかんでいただくために、一例として平成29年度司法書士試験の日程を記載します。平成29年度は、以下の日程で行われます。


平成29年度司法書士試験・日程

平成29年度司法書士試験・日程

 

なお、最新年度の日程は『平成29年度司法書士試験の基本情報を受験案内から確認』に詳細を記載しています。


試験は2つ?

司法書士試験は、1年に1回のみです。

上記の日程をご覧いただくと、「筆記試験」「口述試験」と試験が2つありますが、実質的には試験は筆記試験のみしか存在しないと考えていただいて構いません。どういうことかというと、口述試験は余程のことがない限り落ちることのない試験なのです。

口述試験は、遅刻をせずに、男性であればスーツ・女性であれば相応の服装で行き、最低限の受け応えができれば、落ちることはありません。口述試験は、試験官から法律知識について質問され、答えるという形式で行われます。1人ずつ、5~15分程度の時間をかけて行われます。問われる内容は、不動産登記法・商業登記法・司法書士法です。しかし,答えを間違ったから落ちるわけではありませんし、わからなければヒントをもらうこともできます。口述試験は、本人確認としての意味合いが強い試験なのです。

口述試験については、筆記試験の合格発表後に資格試験予備校が無料または格安で行う口述模試などで対策を行えば十分ですので(※)、みなさんが現時点で考えるべきは筆記試験のみで構いません。
※現時点で「口述試験の概要が知りたい」という方は、『司法書士試験の「口述試験」-日程・会場・対策』をご覧ください。


試験時間・配点

では問題の筆記試験ですが、試験時間および配点は以下のとおりです。


司法書士試験〔試験時間・配点〕

司法書士試験〔試験時間・配点〕

■午前の部 9:30~11:30(2時間)
1.択一 35問×3点=105点

■午後の部 13:00~16:00(3時間)
2.択一 35問×3点=105点
3.記述 2問で 70点


試験時間は、午前の2時間と午後の3時間に分かれていますが、1日限りで終了します。

このように、試験時間は午前と午後に分かれているだけなのですが、上記では、「1.午前択一」「2.午後択一」「3.記述」と分けました。「2.午後択一」と「3.記述」は、午後3時間の中でどのような順序で解答しても構わないのですが、あえて3つに分けています。その理由は、「基準点」という制度にあります。
詳細は『司法書士試験の難易度を上げる基準点とは?』をお読みいただきたいのですが、司法書士試験には基準点、簡単にいうと「足切り点」という制度があります。つまり、「この点数に達しなければ、不合格になりますよ」という点数が設定されているのです。それが、「1.午前択一」「2.午後択一」「3.記述」の3つそれぞれに設定されているため、試験時間という区切りではなく、基準点という区切りで3つに分けました。

みなさんが時間配分や勉強時間のバランスを考える時も、試験を午前と午後の2つに分けるのではなく、「1.午前択一」「2.午後択一」「3.記述」と3つに分けて考えてください。


試験科目・出題数

次に、司法書士試験で出題される科目およびその出題数を見ていきます。例年、以下の科目・出題数となっています。
※出題順序で掲載しています。
※科目ごとの出題数は、今後変わる可能性があります。これまでにもたとえば、平成21年度に、それまでは「民法21問・会社法8問」でしたが、「民法20問・会社法(商法)9問」に変更されました。


司法書士試験〔試験科目・出題数〕

司法書士試験〔試験科目・出題数〕

■1.午前択一
・憲法 3問
・民法 20問
・刑法 3問
・会社法(商法) 9問

■2.午後択一
・民事訴訟法 5問
・民事保全法 1問
・民事執行法 1問  
・司法書士法 1問
・供託法 3問  
・不動産登記法 16問
・商業登記法 8問

■3. 記述
・不動産登記 1問
・商業登記 1問


このように「会社法(商法)」「供託法」などと言われても、法律の学習経験のない方は、よくわからないと思います。私も、受験勉強を始めた当初は、まだ学習していない科目がどのようなものであるかの検討さえついていませんでしたが、最初のうちはその程度の認識で結構です。学習を進めていく中で、どのような科目であるかがわかってきます。

そこで、大枠だけ確認します。試験科目と配点から司法書士試験の特徴を見ていくと、民事系(ex. 民法や会社法〔商法〕など)の配点が高く、公法系(憲法)や刑事系(刑法)の配点が低いことがわかります。司法書士が行う業務のほとんどが、民事に関するものですので、試験における配点も民事に関するものが高くなっています。

また、もう一つの大きな特徴として、「手続法」の占める割合が高いということです。午後択一の科目のほとんどが、手続法と言われるものです。手続法とは、裁判所や法務局などにどのような種類の書面を出すかといったことや、書面にどのような内容を記載するかといったことなどを定めています。少し雑な言い方ですが、「役所での手続を定めた法令」が手続法です。試験段階から、実際の手続のことまで出題されるということも、司法書士試験の大きな特徴の一つです。


受験資格

受験資格はありません。たとえば、以下の事項は、資格によっては制限がありますが、司法書士試験では制限はありません。

・学歴:大学を卒業している必要などは一切ありません。
・国籍:日本国籍を有している必要はありません。中国国籍や韓国国籍で司法書士をされている方もいます。
・年齢:受験するにあたって年齢の要件はありません。よって、未成年者でも受験できます。ただし、司法書士の登録は20歳にならないとできませんので(司法書士法5条2号)、未成年者の方が合格した場合は、20歳になるまでは司法書士として働くことはできません。


以上、基本的な情報を記載しました。これで司法書士試験の概要をつかんでいただければ幸いです。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。