フィンランド/フィンランド基本情報

フィンランドを長距離列車&バスで旅するには(2ページ目)

フィンランドの国土は決して小さくはないので、遠方の街へ繰り出すにはその手段を検討しなければなりません。時間を節約するなら飛行機が便利なのは間違いありませんが、空港のない小さな街に向かう際や、のんびりとリーズナブルに旅情を楽しみたい場合は、長距離列車や長距離バスがおすすめ。運航ルート・時刻の調べ方や切符の買い方などをここで予習して、自分らしい旅のアレンジを楽しんでみませんか?

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


長距離列車VRは、車内サービス満点の快適トレイン!

駅

改札がなく、人が自由に乗り降りして街に流れてゆく光景は、日本人の眼にはかなり新鮮に映るはず

日本のJRに相当する、フィンランド国鉄の名前が通称VR(ヴェーアル)。数年前に赤色から一新された黄緑色のロゴカラーもすっかり定着しつつあり、特急車体に描かれたフィンランドの自然や動物をモチーフとした楽しいイラストデザインも人気です。列車内には追加料金を支払えば自転車やペットも持ち込み可能で、大きなトランクなどを置けるスペースも充実しています。

イラスト

特急列車(インターシティ)の車体に描かれた、ほのぼのとさせられるイラスト

VRの鉄道駅は、中南部ではおよそ主要な街々を隈なく結んでいますが、北極圏はロヴァニエミ(Rovaniemi)、ケミヤルヴィ(Kemijärvi)、コラリ(Kolari)の3都市にしか駅がなく、より北方まで行くにはバスを使わなければいけません。遠方へと伸びる国内列車は大きく分けて4タイプ存在し、それぞれ走行速度や料金が異なります。

 

■Lähijuna(ラヒユナ:近郊列車)

ヘルシンキを起点に、首都圏やさほど遠くないエリアまで伸びるローカル列車で、例えばヘルシンキからタンペレ(Tampere)やラハティ(Lahti)の間などを運行しています。車内にはWi-Fiや食堂車などのサービスはなく、多くの駅に停車する分、時間はかかりますが、最もリーズナブルに小旅行へと繰り出せます。

ピカユナ

シンプルなブルーの一階建て車体が特徴のピカユナ

■Pikajuna(ピカユナ:急行列車)
ヘルシンキを起点としない5-7両編成の非特急列車で、2013年5月現在、コウヴォラ(Kouvola)~ピエクサマキ(Pieksämäki)~クオピオ(Kuopio)~Kontiomäki(コンティオマキ)~オウル(Oulu)~ロヴァニエミを結ぶ路線と、トゥルク(Turku)~タンペレ(Tampere)~ユヴァスキュラ(Jyväskylä)~ピエクサマキ(Pieksämäki)を結ぶ路線の計2線に限られています。特急列車よりややリーズナブルでWi-Fiサービスはありませんが、所要時間はさほど変わらず、食堂車または車内販売サービスがついています。

プレイルーム

子どもが退屈しないように設置されたプレイルームも、親子連れには嬉しいサービス

■Intercity(インターシティ:特急列車)
10~12両編成で最高時速200キロメートルほどの、長距離移動の際に最もポピュラーな特急列車。車両の大半は2階建てになっています。車内には普通車とグリーン車があるほか、食堂車や、小さな子どもたちが楽しく過ごせるようにとおもちゃがいっぱいのプレイルームまで備わっている充実ぶり。また各座席横にはコンセントが設置されており、車内は無料のWi-Fiも通っているので、パソコン利用やインターネットアクセスも自在という旅行者に嬉しい環境です。

■Pendolino(ペンドリーノ:快速特急列車)
イタリアで開発された振り子式車両の列車で、最高時速が220キロを超える最速列車。インターシティからさらに上乗せ料金になります。食堂車では、列車の生まれ故郷にちなんでイタリアンテイストの食事が楽しめます。

次ページでは、VRのチケット購入方法と乗車ルールについて解説!
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