民宿・小宿/石川・小宿のおすすめ民宿

金沢から行く「美食の民宿」2選(4ページ目)

魅力的な町・金沢。もし行ったならホテルに泊まって寿司を食べるだけではもったいない! 金沢発の石川県「行かなきゃ損!」な宿2軒をご紹介しましょう。どちらの宿もご夫婦が仲良く切り盛りし、料理の腕も多くが認めるところ。さあ、ご案内しましょう! 2015年春には北陸新幹線が開業。東京駅から金沢駅までは約2時間30分とますます北陸が近くなります!

山田 祐子

執筆者:山田 祐子

旅館ガイド


ちんとろ!!

獅子吼荘

海の幸も絶品!

お楽しみはご主人が腕を振るう和食をどうそ。ご主人は外で修行を重ねてきた生粋の料理人。物静かな方のようで厨房専門ですが、明るい女将さんが細かい気配りをしてくれます。

鶴来といえば萬歳楽と菊姫という銘酒が有名です。でも、この宿で味わってほしいのが「ちんとろ」! そう、ドブロクです。玄関を入ると秘蔵の「ちんとろ部屋」なる蔵があり、ご主人が丹精をこめて仕込んでいます。なんて素敵な響きなのでしょうね。ちんとろ……。

「ちん」とは頬のことで、頬が赤らんで「トロッ」とした感じになるから「ちんとろ」。あては「鯖のもろみ麹漬け」をどうぞ。鯖の糠漬けは北陸の伝統食ですが、鶴来では優しい味の麹漬けがよく作られるそう。これがよく合うんです。山の宿とはいえ鶴来は白山麓の入り口。海側から入ってきた新鮮な魚をご主人が朝早くから仕入れてきます。

 

鶴来の誇り

鶴来地区は平成の市町村合併で白山市となった鶴来町。古くから醸造業が盛んであった地域の誇りをのこしたいと「どぶろく特区」の認定を受ける動きとなり、米を作り宿もしていたご夫婦に白羽の矢が立ったという経緯があります。北陸三県で第一号のドブロクです。

実は当のご主人はゲコ。女将さんが味見をしながら仕上げていったという味は実に上品。ドブログというと、ドロっとしていて甘口で……というイメージがありますが、これは逆。香りも高くスッとした喉越しで食中酒として最高です。器も綺麗な瑠璃色。酒の白さが引き立つように選んだといいます。ご主人と女将さんの想いが詰まった「ちんとろ」をじっくりと味わってくださいね。
獅子吼荘

秘蔵のドブロクはこれだ!


■獅子吼高原「民宿 獅子吼荘
住所:石川県白山市八幡町リ149
TEL:076-272-1741

その訳は、地域との共生から

「島宿せがわ」は一泊ニ食で9450円~。「獅子吼荘」は、一泊ニ食で7350円~。ハード面は旅館にかないませんが、料理面では負けていません。派手さはありませんが、食材の良さと新鮮は旅館を凌ぐクオリティです。なぜできるのか……?

「せがわ」のトーチャンとカーチャンは、行政や地域への問題意識も高い。そして「民宿にこだわりたい」と話します。島の対岸には名をとどろかせる和倉温泉があり、団体客を相手にしてきた旅館が歩んできた栄枯盛衰を横目に、地域と共存しながら個人客の獲得に動いています。

「獅子吼荘」のご主人と女将さんは、市町村合併後は鶴来ブランドが薄れていく……その危機感から行政担当者と協力して「どぶろく特区」を申請し、「鶴来のドブロク」が出来上がりました。

相撲指導やドブロク造りも、どちらかというと地域の未来のための活動。なので、地域住民も積極的に宿を利用しますし、宿側もその期待に応えるべく手を抜きません。だからクオリティが高いのです。

地域住民に愛されている宿は「いい宿」の証。ぜひ訪ねてみてください。
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