皇族も訪れる山奥の名湯

穂高駅のホームに降りると遠くに見える北アルプスの山々。今回ご紹介したい宿「中房温泉」はその山の奥深い地にああります。

穂高駅前から中房温泉へは定期マイクロバスが便利。7月中旬から8月下旬の間は一日5便出ています。マイカーでも行けますが、宿の周辺は駐車場が少ないのでご注意を。冬季は道路が閉鎖されてしまいますのでカレンダーをチェックしてくださいね。

バスに乗り込むと重そうなザックを抱える乗客。「え?私、こんなんですけど…」と、都会姿でもご心配なく。向かう中房温泉は北アルプスの入門コースとして人気が高い燕岳の登山口にもなっているため、山男山女の御用達宿にもなっているのです。

「中房温泉」とは温泉名でもありながら宿名でもあります。その伝説は平安時代までさかのぼり、今から約200年前に創業家の百瀬家が松本藩の命により、生糸のツヤを出すのに必要なミョウバンを採取するため、湯小屋を始めたのが宿の起こりだといいます。
中房

皇太子殿下も泊まられたという新館

 

12の湯舟を攻略せよ!

バスに揺られること、約60分。中房温泉の駐車場に到着。バスを降りると漂ってくるのは温泉のいい香り。

宿は本館と新館、いずれも木造の計50室。本館は登山者や湯治客の部屋が中心で、新館は通常の旅行者が泊まる部屋。料金も細かく分かれているので予約時に確認するのがよいでしょう。

さあ、滞在の勝負の分かれ目はチェックイン。番頭さんが敷地の案内図を指さしながら風呂の説明をしてくれますので良く耳を傾けましょう。なんと、敷地内には12もの湯船があるのです。そして、一旦部屋に入り翌朝までのお風呂攻略作戦を練ってください。

岩肌から湯が落ちる「白滝の湯」は日が落ちたら行けませんし、「菩薩の湯」も夕食後は清掃時間になってしまいます。「蒸風呂」の後は汗を流したいし、特に混浴が苦手な女子にとっては「大浴場、不老泉、岩風呂」は女性専用時間がありますし…。と、緻密な時間配分が鍵を握ることになるのです。 
中房

山肌を滝のように源泉が落ちる「白滝の湯」

 

気分はまるでヌーディスト?!

13番目の風呂といえるのが温泉プール。水着を着用する方もいるようですが温泉ですから裸でもOK。裸で泳ぐことが許されるって、まるでヌーディストビーチのよう?

14番目の風呂は「地熱浴場」。地表から上がる温泉の蒸気の上に板張りを乗せただけのシンプルなつくりです。腰やお腹など温めたい箇所を蒸気があがる場所にセット。

これが気持ちいい!
混浴ですが女子は浴衣一枚でゴロゴロすれば大丈夫!丸裸で寝そべっている男性も時々いるようですが、ここは浴衣を着用。熱い湯気も直接に当たらないので良い感じ。ジンワリと患部を温めることができます。

全ての湯船は源泉かけ流し。約90度以上の高温泉は加水・加温をせず、敷地内に設置された冷却装置に通され適温に保たれています。主な泉質は単純硫黄泉。各湯船が異なる源泉から注がれているという贅沢さです。
中房

24時間利用できる「地熱浴場」

 

バカンスの夜は地熱料理とワインで決まり!

夕食の目当ては、事前に予約していた「若鶏の地熱蒸し」。箸でホロッと身が離れ、その身はシットリ。さらに食べてびっくり。余計な脂は感じさせず、肉の旨味だけが噛むほどに感じられる美味しさです。

これらの地熱料理は事前に注文が必要。その調理場は敷地内にある「焼山(やけやま)」。焼山とは、熱い蒸気が噴き出される源泉の山のこと。宿の裏手にある焼山に埋めること約12時間。自分たちで砂を掘って埋める料理ができる卵や芋などもありますので詳しくはフロントへたずねみてください。

地熱料理は他にもローストビーフがオススメ。宿のドリンクメニューにあるワインを頼めば、温泉宿がビストロに早変わりです。

お土産には中房温泉オリジナルの「チキンカレー」をどうぞ。地熱で蒸し上げた若鶏と安曇野産の黒豆を使用したご当地カレーです。

この中房温泉営業は4月下旬~11月下旬まで。雪の状態により毎年その日付も変わります。期間限定の温泉天国。この夏にいかがですか?
中房

蒸気で蒸しあげられた「若鶏の地熱蒸し」


■長野県・中房温泉 源泉かけ流しの宿「中房温泉」
・住所:長野県安曇野市穂高有明 7226
・電話:0263-77-1488
・料金:1泊2食付き 14,190円~(税込、トイレ付き等の条件で料金は変わる)
  ※登山客、湯治客用の料金は別途有り。
・営業:4月下旬~11月下旬
  ※詳しくは宿へご確認ください。
・冬季の問い合せ先:0263-77-2008
・地図:詳しくは宿のホームページでご確認ください。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。