新しくなった石垣島の南ぬ島空港

 南ぬ島 石垣島空港

沖縄の今年の夏シーズンより一足早く、石垣島の空港が新しくなりました。ネーミングも新たに「南ぬ島 石垣空港」としてスタートしたこの新空港は、これまでの空港に比べてぐんと広く、滑走路も長くなったもの。それによって中型クラスのジェット機が石垣島に発着可能となり、石垣島がより身近な存在になったことは言うまでもありません。全日空は羽田～石垣直行便1往復を新たに就航し、LCC航空のピーチ・アビエーションも関西空港～石垣便を6月に就航予定。旅行者にとって八重山の玄関口である石垣島がより訪れてやすい島となったことは嬉しいですね。すでに、これからGWや今年の夏休みに八重山旅行を計画している人も多いと思いますので、今回は新しくなった石垣島空港、南ぬ島空港についてお話しましょう。

新空港、南ぬ島空港の開港とともに登場したのが、南ぬ島空港のマスコットキャラクター「ぱいーぐる」くんです。石垣市の鳥に制定されているカンムリワシをモチーフとしたキャラクターですが、このカンムリワシは石垣島出身プロボクサー具志堅用高さんの異名でもあり、ぱいーぐるくんの尊敬する人にも具志堅用高さんの名前があげられています。好きな食べ物は黒糖と八重山そばとうまい棒で、好きなアイドルはPerfumeというぱいーぐるくん、南ぬ島空港のマスコットとして、石垣島の様々なイベント活動に出没しているようです。そんなぱいーぐるくんに迎えられて辿り着く新空港入口。正面に見える4階建てのターミナルビルはずいぶんと大きく立派なもので、旧空港のイメージを思い描いていると驚かされます。
特筆すべきは、1F空港に入ってすぐ目の前に広がるフリースペース。吹き抜けの天井から自然光がいっぱいに差し込んだこのスペースはANAとJALカウンターを結ぶもので、たくさんの席が設けられ、フードコートしての役割も果たしています。市内で人気の海人居酒屋「源」や、石垣牛で有名な「いしなぎ屋」など、出店しているお店のセレクトもなかなか充実。トランジットの合間の腹ごしらえや、最終日に石垣島から飛行機に乗る前の食事としてもじゅうぶん満足できる内容となっています。また、石垣島初スターバックスコーヒーが新空港にオープン。これは、主に旅行者というよりも島民の方々から喜びの声が聞こえてきています。
屋上には展望台スペースもあるので、フライトまで時間に余裕がある人はぜひ立ち寄ってみてください。

南ぬ島空港の場所とアクセスについて

さて、旅行者にとって一番気になるのは、空港の設備よりもまず空港の場所です。今回の新空港はリニューアルではなく移転。つまり、まったく新しい空港がオープンしたものなので、空港の場所自体が変わっています。

南ぬ島空港が建設されたのは、もともと空港があったマエサトよりも北部のカラ岳陸上地区で、石垣市街地から北東へ約15kmの場所です。旧空港から見ると、国道390号を市内とは反対方向へ進み、ヒルギ林で有名な宮良川や白保の集落を抜けて、さらに北上することになります。これまでの空港と比べて、石垣の市街地までがだいぶ遠くなったので、石垣島に着いたその足で離島へ行こうと思っている人は、空港から離島ターミナルまでの移動時間を再考する必要があるのでご注意ください。

距離的にはだいぶ遠くなったのですが、バスターミナルと新空港との間は日中15分間隔で路線バスが運行されるようになり、また東海岸を走るバスが新空港に乗り入れ、川平への直行バスが新設されたりと、公共交通機関は以前よりも便利になったようです。ちなみに新空港と市街地のバスターミナルまでの所要時間はおよそ40分で、料金は片道520円。経路によって若干時間が前後しますが、今のところ渋滞による問題は特に起きていないようです。

レンタカーではなくバスを使って石垣島を観光しようと思っている人には、全路線が1000円で1日乗り放題となる1日フリーパスがお得です。また2000円で5日間乗り放題となるみちくさフリーパスもあるので、2日以上島内観光をする場合は利用するといいでしょう。

そして、八重山の離島巡りを目的に石垣島を訪れる旅行者にお知らせしなければならないのが、新空港開設に伴うバス運行の改定により、離島ターミナルの前にもバス停が設置されたこと。バスターミナルから離島ターミナルまでは歩いても3分ほどの距離なので、これまでのバスターミナル着で特に困ることもなかったのですが、荷物が多い時や雨の時などは助かりますね。
新しくなった石垣島の空港、南ぬ島空港。空港で過ごす時間が快適になり、旅行者にとって石垣島がより身近な場所となることは間違いないようです。ただ、石垣島を訪れる旅行者の中には八重山の離島を目当てとしている人々も多いので、その場合、飛行機と船との乗り継ぎにはくれぐれもご注意を。空港からタクシーで15分、料金的にも1000円でお釣りが来る距離にあった旧空港と比べると、最初は勝手が違う印象を受けると思います。離島からの帰りの船も、空港までの移動時間を考慮した少し早めの移動が必要とされるかもしれません。

南ぬ島空港から始まる石垣島の旅、これからまた変化を遂げていくであろう八重山の旅の新しいスタートですね。