ハードが伸びないマズイサイクル
コーエーテクモゲームスの討鬼伝など、マルチプレイアクションゲームで攻勢をしかけるPSVita。コンテンツの充実と共に適切な流通体制も非常に重要です
マイクロソフトも、そしてお店も、テイルズオブヴェスペリアがそれ程本体を牽引すると予想していなかったということになりますが、しかし2万台強で本体が無くなってしまってはヒットのしようがありません。
ゲームハードというのは、あるきっかけでドカンと売れて、そこから勢いがついて毎週安定して販売できるようになる、というような商品です。ですから、どのプラットフォームホルダーも、そのきっかけをどうやって作ったらいいかがまずあって、その後の展開として勢いを持続させることを考えます。
しかし、製造の方はそうはいきません。ある日ドカンと売れても、ドカンと作ることはできませんし、逆に作りすぎれば不良在庫となります。今回の品薄に関しても、新モデル投入前の在庫調整ではないかとか、決算前の在庫削減の為ではないか、というような憶測も流れています。単純に足りないにしろ、調整にしろ、全体の規模が小さい為に、販売数に少し起伏がついただけで買いたい人がいるのに売ることができない、という状況には変わりありません。
売れているハードは出回っている数も多いため、少ないチャンスをどんどんものにします。一方、売れていないハードは目の前にチャンスがあっても、それに対応することができないマズイサイクルに陥ることがあります。
PSVitaは値下げとソウル・サクリファイスの投入によって、それ以前に比べれば格段に良い状況にはなりました。しかしまだ、躍進といえるには1つ、2つ足りないように思えます。それはより豊富で魅力的なゲームソフトということもあるでしょうし、需要に対応できる適切な在庫と流通体制をどうやって作っていくかということも、重要なファクターとなるかもしれません。
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