「聞くこと」分野の対策
「聞いても分かれば、見ても分かる」単語を増やしましょう。
韓国語のヒアリングに関しては、普段から『받아쓰기(ディクテーション、聞き取って書くこと)』を行うなどして、聞いても分かれば見ても分かる単語を増やしておくことが基本です。
試験に関して言うと、『聞くこと』分野はすべての級を通じ、速度がそれほど速くありません。また、試験なので発音も明瞭で模範的な話し方、というのが助かります。さらには、ヒアリングの試験には様々なものがありますが、設問文が韓国語で書かれているということを味方に付けると良いでしょう。
何かの文章を聞き四者択一の設問文から何かを選ぶ、という形式は多いですが、この四者の設問文をも聞き取るのではなく、すでに書かれている、ということは試験を解く際の補助になり、ありがたいことです。
この問題の対策方法として、音声が流れる前に設問に目を通しておくと良いでしょう。そうすれば、これから流れてくる音声の大体のテーマが分かります。これはその後聴くべきポイントを押さえられるので非常に助かります!
例えば、
問題:これは誰の発言か。
1. 専門家
2. 新聞記者
3. 消費者
4. 司会者
などという設問があったとしましょう。これを前もって読んでおいて、それに注意して聴くのと聴かないのとでは大きな違いが出てきます。
『聞くこと』分野において最も防がなければならないのは、解くのに時間が掛かり、悩んでいたら、次の音声が始まってしまい、解かなければ、聴かなければという意識が働きパニックになることで、どっち付かずになってすべて中途半端なまま、音声だけが流れ続けることです。
理想は、音声が2回流れる場合は、2回目が終わった瞬間に解き終え、次の設問に目を通すことです。高級は1回しか流れない設問もありますが、やはり聞き終わったらすぐ問題を解くことができ、次に目を通すのが理想です。仮にそれができなかったらどこかで1問捨てるなどして、最悪のパニック状態を防ぐのが肝心です。
『読むこと』分野の対策
これも難易度の高い中・高級に限ってお話しようと思いますが、私はこの分野は、個人的に『書くこと』に匹敵する難関だと思っています。その問題量の多さは相当のもので、設問もひっかけや微妙な差を突いてくるものが多く、大量の文章を、速く、正確に読む力が問われます。また、『書くこと』の場合は、先に一部をご紹介したようなポイントを押さえれば点数が目に見えて上がることが多いのですが、『読むこと』は付け焼き刃的な学習は何の効果もありません。韓国語の能力はさることながら、受験者本来の国語力、日本語の文章を読み込む力も問われる気がします。試しに、中級受験の方は日本語の公立高校受験の国語の問題を、高級受験の方は日本語の大学センター試験の国語の問題を見てみて下さい。母国語と外国語では単純比較はできませんが、どうでしょう。国語つまり日本語でも正答を書くことは難しいですよね。これを韓国語で行っているのですから、難しいはずなのです。
対策としては、普段からいろんな文章のジャンルを読む、『多読』のひとことでしょう。ただし、漠然と読むだけでなく、文章の要約をしたり、言い換えたりと、その文章をアウトプットすることで、自分がきちんと理解しているかを図る訓練をすると良いでしょう。そう、意外と独学では難しいとも言えます。
当校の試験対策講座では多読の機会を与え、さらには『拾い読み』の方法などもお伝えしていますが、この『拾い読み』をするためには語彙力が一定以上あることは必須です。
それでも付け焼き刃的なことを言うのであれば、まず、先にご紹介した『聞くこと』分野のように、設問文を最初に読んでおくこと。問われることが分かっていると拾い読みしやすいです。そして、答えを見つけられたら、確認のために何回も読んで「これで大丈夫だよな、良いんだよな」と自分を安心させてから進むのではなく、すぐ次に進むということです。自分を安心させながら解く時間は、この『読むこと』分野にはありません。
以上、各分野の基本的な対策について、私が思うところをご紹介しました。TOPIKは少し大変な試験で、解き方や考え方、何を捨てるか、優先させるかなどは人によって違うでしょう。あくまでも参考程度にしていただき、最も効率の良い解き方などは、過去問題を何回も解くなどして自分で見つけてみてくださいね!
【関連記事】
『韓国語能力試験・TOPIKの概要と勉強法』(All About 韓国語)
『三大韓国語検定試験!各試験の違いと過去問や試験概要』(All About 韓国語)