金魚の品評会と言うと一部の愛好家だけのためのものと思われがちです。品評会に出品するため魚を作り込み飼育するという楽しみ方もあるのでしょうが、一般の金魚好きの方にとっては、水槽で飼育していて品評会に出品することなど縁遠い世界だと思います。

しかし、金魚の品評会は、出品者しか見られない訳ではありません。出品しなくてもお店では売っていないであろうトップクラスの素晴らしい金魚たちを見ることが出来る絶好のチャンスなのです。今回は金魚の品評会の流れ、そして主な金魚の品評会についてもご紹介したいと思います。
静岡県金魚品評大会の様子

静岡県金魚品評大会の様子


金魚の品評会ってどんな感じなの?

白い洗面器に出品魚は入れられ審査される

白い洗面器に出品魚は入れられ審査される

まずは、金魚の品評会はどんな様子なのか、品評会の一般的な流れから見ていきましょう。

品評会によってまちまちですが、今回は静岡県金魚品評大会の画像でご紹介します。まず白い洗面器がずらっと並べられます。この洗面器に一匹ずつ出品魚が入れられていきます。金魚は歴史的に見ると上から鑑賞されてきたので、品種の改良も上から見て美しく見えるように行われてきた経緯があります。したがって多くの金魚品評会の場合、上から見た姿、泳ぎを主に審査されるのです。

審査は多数の品種が出品されるとはいえ、金魚の品種と年齢(親魚の部、二歳の部、当歳の部など)ごとに部門分けがされ、部門ごとに審査されることとなります。一般的でない珍しい金魚の種類に関してはその他の部などでひと括りにされる場合もあります。各部門で審査が行われた後は、部門を超えてその大会の最も美しい金魚を決定します。大会によってことなりますが、最高賞は農林水産大臣賞や内閣総理大臣賞などの賞です(琉金や東錦、和金などの伝統的な基本品種の親魚が受賞することが多いです)。最高賞以外にも、行政の長の名が付いた県知事賞や、市長賞などが付与されたりもします。


金魚の審査はどうやって行われるの?

洗面器を前に金魚を審査する審査員

洗面器を前に金魚を審査する審査員

その後に、いよいよ審査です。金魚の審査はどのように行われるのでしょうか。

静岡金魚品評大会では、複数の審査員の方がメモを片手に合議制で審査、優劣を決めているようでした。らんちゅうだけの品評会などでは、複数の審査員が一斉に点数の書いてある札を出して総得点で優劣を決める方法を取ることも多いようです。品評会に出品するようならんちゅうの愛好家は、品評会で入賞するために心血を注いで飼育している方が多いので、審査方法も透明性と公平性を高める意図があるようです。

金魚の審査のポイントは、一般的にはその品種の特徴をよく表している体型、尾、泳ぎ方、色、模様をしているか等が総合的に判断されます。この部分は審査員の主観によるところもあるのだと思います。

審査の結果、1席(一等)、2席(二等)、3席(三等)……などと決められます。らんちゅうの品評会の格付けは特殊で、一番良いと評価された魚が「東大関」、二番目に評価された魚が「西大関」、続いて「立行司」、「東取締役」、「西取締役」、「東関脇」、「西関脇」、「東小結」、「西小結」等と相撲の番付と同様の格付けが続くのが一般的です。「横綱」が存在しないのは、完璧な金魚は存在しないとの考えからと言われています。

品評会で入賞して得られるのは?

入賞した金魚の飼い主に贈られるトロフィー

入賞した金魚の飼い主に贈られるトロフィー

審査、展示が終わった後は、表彰式です。トロフィーや楯、賞状が授与されます。自分が手塩にかけて育てた金魚が賞を獲得した方は誇らしいでしょう。

といっても金魚は趣味の世界ですので、経済的な利益を得られるわけではありません。もっと言うなら栄誉と言うよりも、優良魚を育てた自分の金魚、そして自分への満足が得られることが大きいのだと思います。

こうして、金魚たちの無言のバトル、いえ金魚愛好家たちの無言のバトル、品評会は幕を閉じるのです。