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フィンランドで開催される北欧最大の民族音楽祭(3ページ目)

フィンランド北西部の小さな街カウスティネンでは、毎年夏に北欧最大級の民俗音楽フェステイバルが開催され、世界各地から多くの聴衆やプレイヤーが集って大いに盛り上がります。何を隠そうカウスティネンの街自体が、フィンランドの農村楽師文化に端を発するペリマンニ音楽の伝統を今も脈々と継承する、国内有数の民族音楽の聖地。フィンランドの素朴で温かい民族音楽の魅力と、フェスティバルの楽しみ方をお教えします。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


ワークショップには誰だって参加できる! 楽器持参なら楽しみ倍増

ワークショップ

おのおのが自分の得意とする楽器を持ち寄って自由な雰囲気のなかで受講できる、ペリマンニ音楽のミニワークショップ。言葉の壁を超えて楽しめる

カウスティネン音楽祭の楽しみ方は、ただ聴くだけにあらず。実は期間中にさまざまな無料ワークショップ(事前予約も不要)が開講されていて、聴衆がプレーヤーとしても参加できるのです。

ワークショップ

より大規模なスペースで開催される大型ワークショップも

例えば、ペリマンニの先生が用意してきた簡単な曲を習うワークショップでは、おのおのの得意な楽器を持ち寄った生徒たちが、先生の手本を聴いては真似て……と楽譜を必要としないペリマンニ流のやり方で、ワンフレーズずつ耳コピしてゆき、最終的に1~2曲を全体で披露できるほどに仕上げます。

曲を教わる間も特に言葉を必要としないので、参加者と何度も音を出しあっているうちに、音楽が言葉を超えた世界共通語であることを体感できるはず。何が楽器ができる人は、思い切って現地に持っていけば一層楽しめるのではないでしょうか。

イベント

焚き火を囲みながら、音楽家たちと一緒に歌って楽しむブース

また、フィンランドの古い物語や歌の歌詞カードが手渡されて、演奏家の伴奏に合わせてみんなで輪になって唱和する、というより気軽なグループもあります。

ここでも言葉ができないからといって門前払いされることはなく、見よう見まねでついていこうとするだけでも自然と音楽の輪に入れてもらえ、気がつけば周囲の人と心が通い合っているということも。この他にも気軽に参加できるものとして、例えばフォークダンスのミニレッスンなどもいかがでしょうか。

演奏者と聴衆のあいだに明確なラインがなく、誰もが能力差やバックグラウンドを気にせずに楽しく音楽の輪に入っていける……これこそが、民族音楽本来の姿であり醍醐味。ぜひワークショップには積極的に参加して、音楽祭を何倍も楽しんでみてください!

現地滞在には、ゲストハウスの利用も貴重な体験に

滞在

気候が気持ちいい季節なので、遠方からキャンピングカーで参加する観衆も多い

カウスティネンの街自体には大きなホテルなどがないため、期間中の現地滞在先がちょっとした問題。カウスティネンからバスで40分ほどのコッコラという街を拠点にしたり、キャンピングカーを借りて指定エリアでベースキャンプをはる人もいますが、遠方からの観光者におすすめなのは、公式ウェブサイトで紹介されている宿泊施設斡旋チームにメールで連絡をとって、ゲストハウスを斡旋してもらうこと。ゲストハウスの提供者は街の施設であったり市民の家庭であったりとさまざまですが、宿泊用の部屋と朝食つきで、遠方のホテルより経済的に、またよりローカル目線での滞在を叶えてくれます。

音楽祭はまさに街ぐるみで支えられているので、どのような場所に受け入れてもらえるかは状況次第ですが、例えば一般家庭にお世話になってみたいという場合は、申し込みメールの段階で希望を伝えておけば最大限考慮してくれます。おもしろいのは、こうした簡易宿泊サービスをミュージシャンたちも個人で気軽に利用しているということ。朝食の場でばったり大物ミュージシャンに出くわしてそのまま会話が弾む……といった貴重な経験ができるかもしれませんね。

※その年の音楽祭の出演情報や詳細、チケットや宿泊施設の予約方法などは、例年年明け以降に徐々に公式サイトで発表されていきますので、こまめにチェックしてみてください。2013年の開催期間は7月8~14日です。

ステージ

小さな村でのビッグな音楽祭をひと夏の思い出に!

■Kaustinen Folk Music Festival 公式サイト

■カウスティネンまでのアクセス
アクセス拠点となるのは、鉄道駅や空港のある中央ポフヤンマー県の町コッコラ(Kokkola)。ヘルシンキからコッコラまでは長距離列車で約4時間、飛行機で約1時間10分。コッコラからカウスティネン中心街までバスで約40分。

※上記データは記事公開時点のものです。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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