白夜の季節に素朴な音色が響き続ける、カウスティネン民族音楽祭
メイン会場の巨大テントの下では、常に多彩な演目が繰り広げられる。大物アーティストたちが次々壇上にあがって迎えるパフォーマンスはいずれも圧巻!
カウスティネン民族音楽祭(Kaustinen Folk Music Festival)は、1968年に第1回が開催されたとても伝統あるフェスティバル。例年7月の上旬から半ばにかけて、約1週間に渡り特設会場が設営され大々的に開催されます。期間中は、地元カウスティネンやフィンランド国内の、ペリマンニ音楽を始めさまざまな民族音楽を奏でる音楽家たちが集い、さらには近隣国からも話題の民族音楽プレーヤーたちが駆けつけて、それぞれに、あるいは夢のコラボレーションバンドとなって、魅力的なライブを行います。
音楽だけでなく、民族衣装による舞踏や芝居などユニークな演目が目を楽しませてくれる
いわゆる音楽フェスと同様、まず全日通し券や一日券などを購入してから敷地内に入場(事前予約もできますし、若干割高になりますが現地で当日券も購入できます)。何箇所にも分かれて設置された各ステージで、朝から晩まで入れ替わり立ち替わりおこなわれるパフォーマンスを、観客たちが自由に行き来しながら見て回るスタイルです。
ひとつひとつの会場自体はさほど大きくありませんが、有名アーティストのパフォーマンスにはやはり観客も集中するので、お目当てのアーティストがいる場合はスケジュールリストをよく読み込んで、聴きたい演奏に狙いを定めた計画を立てるのも大切です。
見たこともない珍しい伝統楽器の演奏も楽しみたい
いっぽうで、特にこれといった目当ての演奏があるわけでもないんだけど……という場合は、気の向くままに会場を行き来して、魅力的な音のする方に誘い込まれていくというのもひとつの楽しみ方。演目はプロフェッショナルの注目ライブから地元の子どもたちの微笑ましいパフォーマンスまで実にさまざまで、音楽だけでなく、民族衣装を着た人たちの舞踏や芝居など、目でも楽しめるシーンにいっぱい出会えるはずですよ。
会場は街の学校施設や野外広場。のどかな屋外パフォーマンスも楽しんで
本来空の下で朗らかに奏でられていたペリマンニ音楽は、やっぱり屋外で聞くのが楽しい
音楽祭の各ステージとなるのは、街の中心街に集まっている学校施設とその近隣の野外広場です。小中学校の教室や中庭、講堂なども演奏会場として使われ、時間ごとにさまざまなアーティストたちが点々と移動を続けます。会場内では、休憩中のアーティストたちも一般客に混じってカフェスペースでくつろいでいたり、他の演奏を聞いていたりする和やかな光景が見られるのも、アットホームな雰囲気に包まれたカウスティネン民族音楽祭ならでは。
由緒あるペリマンニ・タロのライブ会場。歴史を感じさせる家屋がペリマンニ音楽の音色をいっそうイキイキと響かせる
メイン会場は、野外広場に設置された巨大テントの下。観客が殺到するビッグネームたちの演奏や、数々のミュージシャンが次々に壇上に上がってきて、白夜の空のもとで繰り広げる圧巻のナイトステージなどがここで鑑賞できます。
また、敷地内には1800年代に建てられた「ペリマンニ・タロ(Pelimanni talo)」という、街のペリマンニ文化継承の拠点でもある趣きある木造小屋があり、ここも民族音楽ファンが愛して止まない人気の会場地のひとつ。このなかで聴く本場のペリマンニ音楽は、建物に染み込んだ歴史と呼応していっそうイキイキと聞こえてくるはずなので、ぜひ立ち寄るのをお忘れずに!
最終ページでは、ただ聴くだけではない、より積極的でディープなフェスの楽しみ方をご紹介!