都心に残された住宅街、渋谷区広尾3丁目
邸宅が建ち並ぶ屋敷街に残された羨望の地
渋谷区広尾3丁目。日比谷線「広尾」駅と「恵比寿」駅の間に位置し、JR線「渋谷」駅や銀座線「表参道」駅も生活圏にあたる都市部と程よい距離にあるエリアです。この地域を占めるのは、住居系用途地域としては、最も住環境維持のための規制の厳しい第一種低層住居専用地域。沿道から中に入ると、高層建築物が見当たりません(高さ規制があります)。この地に、高級マンションとともに多く建てられているのが、高級賃貸レジデンスです。欧米から日本に居を構えたビジネスピープルも多く、100平米を超えるレジデンスも珍しくありません。
都心近接のエリアでありながら、住環境が保全され暮らしやすい。そうした点が、長く多くの人を惹きつけているのかも知れません。
低層住宅街でありながら、起伏があることで変化に富み、歩きながらいろんな街並みを楽しめることも、実際歩いてこの街の魅力と感じました。
三菱地所レジデンスが発表した、「ザ・パークハウス 広尾羽澤」(施工:大成建設、設計:三菱地所設計)は、かつて羽澤町と呼ばれた約8,000平米もの広大な敷地に計画された全114邸のマンションです。現地を訪れると、長い街路に覆うような木立の緑が印象的な石垣の続く屋敷跡が見えます。この屋敷にはかつて、東京市長などを歴任し夏目漱石とも交流のあった実業家中村是公が大正4年に私邸を構えた場所。その後料亭などとして使われ地域をはじめ多くの人に親しまれてきました。北側敷地に残された樹木の緑の深さがその歴史を感じさせます。
緩やかな高低差をもつ台地状の敷地の周囲には、ツツジなども群生しています。第一種低層住居専用地域は、高さ制限などの規制が厳しいため、敷地が広く形状の整った土地でなければマンション用地に適しません。4方向が道路に面し、間口の広い敷地形状の土地がこうした人気エリアで取引されること自体が、稀なことだと思います。
緑深い北側と違い、南側は比較的開けており、陽光注ぐ晴れやかな感じです。敷地周囲を歩くだけで、良いマンションの印象を受けます。
現地では、既に工事が進行中です。街路には、車通りも少なく落ち着いた風情です。2014年4月竣工予定ですので、来年の今頃には新しいランドマークが誕生することになります。
この恵まれたロケーションと敷地をどうランドスケープに活かすのか、次ページで引き続き模型とモデルルームを紹介します。