「むずむず脚症候群」とは?
ムズムズ以外にも、虫が這うような感じとか、火照るという人もいます
むずむず脚症候群の主症状と診断基準
具体的には以下の必須4項目が当てはまると、むずむず脚症候群と診断されます。- じっとしていると脚に異常な感覚が生じる
- どうしても脚を動かしたくなる
- 脚を動かすと異常感覚が良くなる
- このような症状が夕方から夜にかけてひどくなる
一方、この4つの症状だけでは診断がつかないときでも、「家族に同じような症状の人がいる」「治療薬を試してみると効果がある」「眠っているときに足が周期的に動く」などの症状があると、むずむず脚症候群の可能性が高くなります。むずむず脚症候群の症状については、「 むずむず脚症候群の症状」で詳しく解説しています。
むずむず脚症候群は検査法がなく診断困難
言葉で書くと簡単に診断できそうに思うかもしれませんが、実際の診療場面では診断に困ることがあります。その原因はむずむず脚に特徴的な検査がないからです。糖尿病なら血液検査、高血圧なら血圧を測れば診断できます。ところがむずむず脚症候群には決め手になる客観的な検査がまだないのです。むずむず脚症候群の診断するときには、注意しなければいけない病気がいくつかあるのです。
むずむず脚症候群と間違えやすい病気一覧
診断時にむずむず脚症候群と間違えやすい代表的な病気ををご紹介します。■こむら返り
こむら返りの場合は、じっとしていると筋肉がつって痛みが強くなります。足を反対方向に動かそうとする人が多いですが、筋肉を強く引き伸ばす必要があります。また、むずむず脚症候群と違って、歩き回れば楽になるということはありません。
■体位による脚の不快感
体の下になったり不自然に関節が曲がっていたりすると、神経が圧迫されたり血液の流れが制限されて痛みやしびれなどを感じることがあります。この症状は体位を変えることでしか解消しません。しかし1回動けばよいので、何回も動かしたくなることはありません。
■アカシジア
じっとしていられずに目的なく体を動かしたり歩き回ったりします。「静座不能症状」ともいわれます。アカシジアは統合失調症の治療薬や抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、躁病の薬(リチウム)などの副作用として起こります。むずむず脚症候群と紛らわしいのですが、1日中同じように症状が出ることやいろいろな動き方をするところが異なります。
■感情障害(うつ病)
うつ病の方は、脚が重苦しく感じたりシビレたりすることがあります。また、焦燥感が強く落ち着かないとも訴えます。むずむず脚症候群との違いは、症状が夕方~夜より午前中にひどいこと、足を動かしても症状が軽くならないことなどです。しかし、むずむず脚症候群にうつ病が合併することもあるので、注意が必要です。
■腰椎疾患
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症で神経が障害されると、むずむず脚症候群に似た症状が出ることがあります。整形外科の医師の中にはむずむず脚症候群をよく知らない人がいるので、心配なときには睡眠障害専門医や神経内科・精神科の医師にも相談してみましょう。
■痛む脚と動く足趾症候群
比較的珍しい病気です。脚部の痛みと足の指(主に第1趾)の不規則な不随意運動が特徴です。痛みなどの異常感覚は運動や安静で変化しません。また、睡眠中には不随意運動が消失します。
むずむず脚症候群の治療法については、「むずむず脚症候群の治療」で詳しく解説していますので、あわせてご覧下さい。