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4Kは本当に必要か? ソニーの4Kテレビ第二弾が発売(3ページ目)

ソニーから4Kテレビの第二弾が発売されます。コンペティティブな65Vと55Vの二サイズ。「4Kは本当に必要か?」という議論への答えがここにあります。

大橋 伸太郎

執筆者:大橋 伸太郎

テレビガイド



残像感の除去に進境。
なめらかで緻密な4K映像
 

視聴は大崎の同社テクノロジーセンターで二度に渡って行いました。KD-65X9200AとKD-55X9200Aの進歩した点の一つに4K映像の動画補間技術の緻密化があります。4Kディスプレイはフルハイビジョン比で画素数が4倍になりデータ処理量が大きいため、大画面に動画がアップスケール表示された場合、初期の4Kテレビでは動きの不自然さがしばしば目立ちました。KD-65X9200AとKD-55X9200Aでは、倍速モードを多様化し4Kでの動画表現の鮮鋭化を行っています。

4Kパネルと新モーションフローの掛け算による映像は一言で表現して<自然>そのもの。大画面ユーザーにとって大歓迎でしょう。注目のトリルミナス。ライブカラー機能に強、中、弱、オフの4ポジションがあり、オフは一般的なハイビジョン色域(BT709)ですが、弱から強の選択でRGBの色域が拡大され、色の鮮鋭感が増していきます。(強でDCI帯域、)赤と緑を伸ばしていくことで青も大きく改善されていくためバランスが損なわれず、RGB方式に見られた強調感やけばけばしさがありません。

エッジ表現の自然さもKD-65X9200AとKD-55X9200Aの美点で、超解像の適用と細部がロールオフしていく度合いが適切で65/55Vに相応しい自然で豊かな奥行き感が味わえます。

次に注目のサウンド。『レミゼラブル』(輸入盤)をS-Forceフロントサラウンドでなく、ステレオで視聴しましたが、左右音源の配置が適切で音場がよくほぐれ鮮明で歪のない再現に好感を持ちました。唯一気になったのは、磁性流体ドライバーがレスポンスに優れる分、背面のスーパーウーファーから出る低音がやや遅れて聴こえます。発売まで時間がありますので、チューニングによるタイミングの適正化を期待することにしましょう。

さて、4Kテレビ、KD-65X9200AとKD-55X9200Aをどう評価しましょうか。ソニーはかつてトリニトロン方式カラーテレビの発売、ハイビジョンテレビの発売などテレビが新時代に入る都度、価格破壊的役割を果たしました。しかし、それは過去の話。テレビがデジタルになって産業構造が一変し、スケールメリットというほどのものがなくなり、加えて家電に流通革命が起きテレビの価格は常に変動の真っ只中にあるので、価格面でのインパクトは最初から演出のしようがないのです。

だから本機の身上は、あくまで映像の美しさ。従来の精細感を前面に出した4Kテレビに対し、残像感がなく自然でなめらかな質感の映像が身上のKD-65X9200AとKD-55X9200Aには、高画質テレビは最早フルHDでなく4K、の説得力があります。4Kネイティブ映像が流通し出せばその違いは後戻り出来ないはず。先行投資に本機を選ぶのは悪くない考えといえるでしょう。<その時>は必ず、そしてすぐにやって来るのですから。

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