4Kへの本格的議論を呼ぶ、
コンペティティブな65/55V型
 

ソニーは同社のブラビアシリーズのラインナップを一新、5月から順次発売開始します。今回はその中から、注目の4Kテレビ2機種を紹介しましょう。ソニーは昨年84V型の4Kテレビを初めて発売しました。東芝と共通のIPS方式のパネル(LG製)を使ったKD-84X9000は、4Kの垂直画素数と大画面の利を活かしたパッシブ3Dの自然な立体感で高い評価を得ましたが、いかんせん200万円に迫る高価格では、イメージリーダー的な存在に止まります。今回のKD-65X9200A/55X9200Aは、実売予想価格がそれぞれ、75万円、50万円と伝えられます。つまり、ここからが本番と考えていいでしょう。

予想実売価格750,000

KD-65X9200A

 



フルハイビジョンで十分美しいのに、
4Kテレビは本当に必要なのかという議論
 

4Kとは画面解像度が水平3840×垂直2160を意味し、現在主流のフルハイビジョン(1920×1080)の4倍の画素数を持ちます。しかし、フルハイビジョンで十分美しい画質が得られているのに何故その4倍もの画素が必要なのでしょうか。

テレビ業界では、テレビが固定画素方式に代替し大画面化した半面、ユーザーの視聴距離は変わらないので、相対的に近接して見ることになった場合、より木目細かい映像が求められているのだ、と説明します。一見もっともらしい議論ですが、ユーザーの家庭内での使用実態はさまざまですし、4Kが必要になるのは50Vを超える大画面に限られることになってしまいます。

私個人は万人にとって4Kが必要不可欠とは考えません。しかし、4Kテレビを支持します。その理由は、テレビジョンの本義はTELE(遠く)をVISION(見る)ことにあり、肉眼的リアリティと臨場感の追求が誕生以来の宿命だからです。

現在のフルハイビジョンは、1970年代にNHKの主導の下、日本の家庭空間を想定し、人間の水平視野角から最大限の臨場感が得られる16対9の50Vという画面サイズと、3H(テレビのタテサイズの3倍)の距離で走査線が見えなくなる下限1080の垂直解像度(当時は走査線本数)が決まりました。しかし、フルHDは実際の肉眼の解析能力を下回っているのです。

「俺は肉眼的リアリズムなんて要らないよ」とおっしゃるかもしれません。テレビというものは一般的に考えたら、食べたり飲んだりグータラに楽しむものかもしれません。しかし、テレビは「遠くの出来事を、あるがままに見たい」人間の本源的欲求に根ざしているのですから、もっとリアル!へと進化し続けるものなのです。

4Kテレビの映像を見ると、画素密度が増したために、光の明暗の微妙な変化が自然でなめらかになっていることに気付きます。精細感よりむしろ階調表現の進境によって<肉眼視>に一歩近づいた実感に感動を覚えます。

高画質ソフトの代表である劇場公開用映画のスクリーン上での画面密度がほぼ4Kに相当し、デジタルデータの編集作業が4Kもしくは8Kで行われていることも、ホームシアターに劇場の再現を求める人たちにとって4Kの大きな必然となっていくでしょう。

ネイティブ4Kソフトはいつ見られる?
スカパー!プレミアムのFIFA2014という説も……
 

現時点では4Kのソフトが流通していないため、フルハイビジョンのソフトをテレビでアップグレードして見るに止まっています。4K放送計画は各社の実施計画がいろいろ取り沙汰されていますが、最も有力なのがスカパー!プレミアムが2014年FIFAワールドカップ ブラジル大会(6月12日~7月13日)を4Kで放送するというものです。この場合、124/128度CSから送信されますので、一般的なBS兼用の110度CSで視聴は出来ません、別にCSアンテナを立て専用チューナーを入手する必要があります。

パッケージソフトでは、やはりソニーが積極的な姿勢を見せています。SPE(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)とSCEをグループ会社に持ちソフトハードの連携プレイが出来るからです。しばらくはパッケージの中間プロセスに4Kを用いたBDソフトが中心になりますが、ネイティブ4Kソフト(BD)と再生機の登場もそう遅くないでしょう。4K映像ゲームソフトはさらに早期の発売が期待できるかもしれません。