カナダ/カナダの観光・見どころ

カナダの大陸横断列車、VIA鉄道 カナディアン号

バンクーバーとトロントを、何と4泊5日という長~い行程で結ぶ大陸横断列車。その名の通り、カナダを代表するVIA鉄道の看板列車。多彩な設備とダイナミックな車窓と、魅力いっぱいの列車をたっぷりとご紹介します。

執筆者:下村 猛

ダイナミックな車窓がウリ! バンクーバーとトロントを結ぶ
大陸横断 カナディアン号

大平原地帯を行くカナディアン号。スカイラインカーの2階ドームから、こんな風景を満喫 (C) The Canadian in SK by Martin Cathrae

空が広い! 大平原地帯を行くカナディアン号。スカイラインカーの2階ドームから、こんな風景を満喫 (C) The Canadian in SK by Martin Cathrae

実際にカナダ全土を横断するというわけではありませんが、バンクーバーからトロントまで4泊5日で走破するこの列車は、まさに大陸横断列車という名前がぴったり! 険しく切り立った山並みが続くカナディアンロッキー、地平線が見える大平原地帯といったカナダらしいダイナミックな車窓と、長旅を楽しむための展望車や食堂車、多彩な客車は、旅行者から高い支持を受けています。

この記事では、そんなカナディアン号で旅がしたくなるような、この列車の魅力に触れてみたいと思います。

とは言え、やはり4泊5日は長過ぎ?

この列車のルートはカナダ東西距離の3分の2ほどをカバー (C) Blue Works

この列車のルートはカナダ東西距離の3分の2ほどをカバー

ジャスパーに停車中のカナディアン号。背後に見える冠雪した山々は、もちろんカナディアンロッキー! (C) VIA Rail Canada

ジャスパーに停車中のカナディアン号。背後に見える冠雪した山々は、もちろんカナディアンロッキー! (C) VIA Rail Canada

旅行の日数にもよりますが、この列車に乗ること自体が目的でない限り、これだけに4泊を割ける人は少ないのでは……。また、行程途中の大平原地帯は、最初の感動こそ大きいものの、これが丸2日ほど続きます。さすがに、中だるみしてしまいそうですね。

一般的な利用方法は、この列車で最も人気が高い、バンクーバーからジャスパーのカナディアンロッキー越えの区間のみの乗車です。これだと1泊2日の行程なので、夜行列車の雰囲気も楽しめ、なおかつカナディアンロッキーを車窓で満喫! 運が良ければ、カナディアンロッキー最高峰のマウントロブソンを拝むことが出来るかも!

 

多彩なクラス。でも、やはり個室寝台がベスト

室内にトイレ、洗面台を備えた2名用個室寝台 (C) VIA Rail Canada

室内にトイレ、洗面台を備えた2名用個室寝台 (C) VIA Rail Canada

毛布や枕などは含まれていないので、要注意。車内で購入は可能 (C) VIA Rail Canada

エコノミークラス座席では毛布や枕などは含まれていないので、要注意。車内で購入は可能 (C) VIA Rail Canada

座席は一般普通車の「エコノミークラス」と寝台車利用の「スリーパープラスクラス」に大別されます。

エコノミークラスは普通車といっても、シートが40度ほど倒れ、レッグレストも付いており、日本のグリーン車に相当するものと考えてください。ただし席指定はされず、列車番号のみが指定される場合がほとんど。

スリーパープラスクラスでは、開放寝台、そして1~4名に対応した個室寝台、さらには2名個室2室分を使ったスイートルームがラインナップされています。開放寝台は中央通路の両側に2段ベッドが並び、昼間はボックスシートになるタイプです。仕切りはカーテンだけなので、完全なプライバシーはありません。個室は1名と2名用が大半で、3名個室は絶対数が少なく、4名個室は隣同士の2名個室2室を繋げる構造なので、どちらも確保は困難を極めます。このような設備の他に、スリーパープラスクラスでは、以下のものが料金に含まれています。

開放寝台は、一昔前の日本のA寝台と同じ構造 (C) VIA Rail Canada

開放寝台は、一昔前の日本のA寝台と同じ構造 (C) VIA Rail Canada

  • ダイニングカーでの全食事付き(アルコールは別)
  • 最後尾に連結されるパークカー(展望ラウンジカー)へのアクセス
  • パークカーやスカイラインカー(編成途中の2階建て展望車)でのソフトドリンクやスナック
  • ターミナル駅での優先乗車
  • シャワールームの利用
  • トロント駅でのパノラマラウンジ(ビジネスクラス乗客用ラウンジ)利用

普通車でもグリーン車の快適性とはいえ、夜行列車ということを考えると、旅情たっぷりな寝台車で楽しみたいところ。また、ダイニングカーでの食事や、パークカーでの優雅なひとときも、旅の思い出に残ること間違いなし!
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