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社会人なら知っておきたい印紙税の基礎知識(2ページ目)

契約書や領収書など、経済取引にともない作成される文書を作成すると印紙税が課されるのが通常です。社会人ともなるとビジネスの現場で、相手方から印紙税の貼付がないことを指摘され、慌てて印紙税を貼りつけるなんてことは避けたいものですね。今回はどのような場合に印紙税が必要なのか、印紙税の納付方法など、基本的な事項をとりまとめてみました。

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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平成25年税制改正で変更のあった印紙税の改正

平成25年の税制改正で、印紙税法の一部に改正がなされています。具体的には
前ページでご紹介した「第2号文書 : 請負に関する契約書」のうち、
  • 不動産の譲渡による契約書
  • 請負工事の請負に関する契約書
について、平成25年3月31日までの期限付きで引下げがはかられていたのですが、平成30年3月31日まで5年間延長された上、平成26年4月1日より更なる引下げが行われる予定です。
平成25年税制改正における印紙税額表の改正(出典:平成25年税制改正大綱)

平成25年税制改正における印紙税額表の改正(出典:平成25年税制改正大綱)


平成26年4月1日は消費税率の現行5%から8%にアップが予定されている時期でもあり、消費税率アップ前の駆け込み需要とその後の反動による着工数の落ち込みを最小限に抑えたいとの考えが、印紙税法にも反映されていると考えられます。

押さえておきたい、印紙税の納付方法

課税文書の作成者は原則として、課税文書に課される印紙税相当額の収入印紙を課税文書に貼り付け、自己または自己の代理人、使用人その他の従業者の印章もしくは署名により、その印紙の彩紋と課税文書にまたがるように、印紙を消す処理をすることによって納付します。このことを「消印処理」と言いますが、要は郵便物を郵便局に持ち込んだとき、貼付されている切手に消印処理がされるのと同様、印紙の彩紋と課税文書にまたがるように消印処理することによって、印紙の二重使用等を防ぐための処理と考えるといいでしょう。

印紙税を貼らなかった場合、どうなるのか

課税文書の作成者が課税文書に印紙を貼らなかった場合には、納付しなかった印紙税相当額の2倍の過怠税を納めることとなります。もちろん、本来の印紙税も納めることになるのですから、最終的な印紙税額は本来の印紙税額の3倍となります。

なお、課税文書に印紙を貼っていても、所定の方法により消印処理をしていなければ、消されていない額面に相当する過怠税が徴収されます。


ビジネスの現場で相手方から印紙税の貼付がないことを指摘され、慌てて印紙税を貼付し、消印処理を行うことは信用問題となることもしばしばです。課税文書のどれに該当し、いくらの収入印紙を用意すればいいのかは、事前に調べれば回避できるミスですので、あらかじめきちんと行っておきたいものです。


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