Q:第3部『ZA-ZA』はフルメンバーによる作品です。
ここでのチャレンジとは?
新たな試みとして、舞踊家たちに“舞台上で何がしたい?”とアンケートを取っています。自分がしたいこと、人としたいこと、人にして欲しいことを各々に聞き、それをインスピレーションに演出振付けしていくんです。アンケート結果がまた面白くて、人間性が出るんですよね。この人とこういうことをやってみたいとか、この人とはこういうことはやりたくないとか、Noismの中の人間関係が露わになってくる。その欲の構造は凄く興味深いし、演出家として非常に刺激的でもあります。
Q:各々がアンケートに書いた“欲望”は、
どの程度消化されるのでしょうか?
自分への課題としては100%。だから、本当に大変です(笑)。ただ欲望が反発することもあるし、他者との関係性によっても変わってくる。できるだけ全部受け入れようとは思っているけど、解釈の広さは設けています。しかし各々の“欲望”を実際に振り付けていき、その過程で生まれたものが出来事として強くなければ使わない。みんながやりたいことをやるための作品ではなく、あくまでも発端が彼らの欲望であって、そこから醸し出されるものの強度や美しさ、社会性が何より重要なんです。
彼らが舞台上でやりたいと望むものに社会性を持たせて、彼らの行為に社会的価値を見い出すのが演出家の仕事だと思うし、それを自分自身の課題にしようと考えています。
Q:色々な観方ができる作品になりそうです。
そうですね。ここでは、観客自体の欲望も突きたいと思っています。観客にしても、ある意味自分の観たいように観ている訳であって……。表現されているものがあっても、表現している側と受け取る側の違いは必ず有る。その出来事を読み取ることも、人間の欲望になる。欲望って、欲しいと願っているときと、手にした瞬間とではガラッと質が変わる。その状況にないから欲する訳で、手にした途端に“何だ、こんなモノ欲しがってたんだ”と思ったりする。それが欲望の本質だし、その欲望に支配されているのが現代社会。結局、欲と欲のぶつかり合いであって、全てがアイロニックですよね。
Q:全ての欲望が叶った先に、浮かび上がるものとは?
僕自身、それが見たいんです。どう表現として立ちあらわれて、お客さんの欲望とぶつかった時にどのような表現となるのか。色んな欲望が交錯する中で、色んなことが同時多発的に起こるけど、最終的に現代社会、人間社会の縮図がそこにあらわれたらいいし、どこかの時点でその欲望が祈りに変わったらと……。根底にあるのは、欲望と祈りの狭間。探し求めているのは、“どこまでが欲望で、どこからが祈りなのか”。答えがあるとは、自分自身思っていないんですけどね
新作公演リハーサルより 撮影:遠藤龍
Noism1新作『ZA-ZA~祈りと欲望の間に』
日程:
■新潟公演
2013年 5月24日(金)19:00、25日(土)17:00、26日(日)17:00
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
一般5,000円、学生2,500円
■神奈川公演
2013年 5月31日(金)19:00、6月1日(土)17:00、2日(日)15:00
会場:KAAT 神奈川芸術劇場 ホール
5,500円
■静岡公演
2013年7月20日(土)16:00、21日(日)16:00
会場:静岡芸術劇場
一般4,000円、大学生・専門学生2,000円、高校生以下1,000円。
※ペア/グループ割引他各種割引あり
演出振付:金森穣
出演:Noism1
問合せ:新潟・神奈川公演/りゅーとぴあチケット専用ダイヤル025-224-5521(11:00~19:00/休館日を除く)
静岡公演/SPACチケットセンター 054-202-3399(10:00~18:00)
※2013年5月26日(日)発売
http://www.noism.jp/
※ データは2013年4月20日現在のものです。
変更になる可能性があります。
詳細はカンパニーHPでご確認ください。