オープン記念ディナーコース
一皿目からインパクトのあるビジュアルですが、ひとつのプレートの中に古典とモダンのテクニックを駆使したお皿の登場です。左のワインカラーの卵は、ポーチドエッグを熱で溶けない赤ワインのゼラチンで覆ったもの。周りにはマッシュルームを細かく刻んだものでコクをプラスしています。
右は、西洋風茶碗蒸し“ロワイヤル”に豆苗や生ハム、キノコを挿していて、まるで大地から草木が生えているよう。豆苗はあえて乾燥させたものとフレッシュなものを使って食感の違いも楽しめるようにひと手間加えています。
さらに、細長いグラスには新玉葱の濃厚なスープ“ブルーテ”が入ったものをプラス。卵とキノコを見事に違う調理法で全く違う形状や食感にして楽しませてくれます。
まるでお花畑のようでもあり、まさに野菜の遊園地というネーミングにふさわしいお皿の登場に思わず歓声が上がります。でも、驚いたのは見た目だけでなく、その多彩な味わいでした。野菜本来の美味しさにハッとさせられます。グラスの中で野菜が挿さっているマッシュポテトまでもが美味!
また、「一つずつ召し上がっても、一気にすくって召し上がっても、美味しく召し上がって頂けますよ」というシェフの言葉通り、ソースやパウダーをつけながら野菜を1種類ずつ食べても、数種類を一緒に食べても新たな発見があります。
三浦半島などの朝採れ野菜は80種類くらい使用。それぞれ素材の持ち味を生かしてロースト、コンフィ、フライ、フレッシュなど、さまざまな手法で調理されているだけでなく、鮮やかなソースもパウダーも全て野菜。
本当にそれぞれの「香り」「味わい」「食感」を堪能できます。
大自然のエッセンスが満載のお皿は、全て平らげるとガラスの下に本物の土が敷かれているのを見つけられ、シェフの遊び心が垣間見られます。