平成26年以降、重要な改正が目白押し!
昨年 平成24年に年金関係の重要な法案が沢山成立しており、来年以降順次施行される予定となっています。●平成26年4月 : 遺族基礎年金の遺族の拡大
これまでは、遺族基礎年金を受け取れる遺族は、「子のある妻」又は「子」に限られていましたので、「夫」は対象外でした。平成26年4月から、遺族基礎年金について父子家庭にも支給されることになります。
●平成27年10月 : 受給資格期間の短縮
これまで、公的年金を受け取るためには滞納以外の期間が25年間必要でした。これが10年に短縮されます。
●平成27年10月 : 被用者年金制度の一元化
これまで、2階部分の年金制度は、会社員が厚生年金、公務員が共済年金と別々の制度だったものを、厚生年金に統合(一元化)することになります。保険料の統一、共済年金のみにあった3階部分の職域加算の廃止等格差を是正することになっています。
支出増の財源は消費税アップで賄う
まだまだ続きます。●平成27年10月 : 低所得年金受給者や障害を持つ方への給付金制度創設
所得が一定水準以下の年金受給者に「老齢年金生活者支援給付金を」支給します。支給額は最大月額5000円(5000円×保険料納付月数/480)となります。
●平成28年10月 : 短時間労働者に対する厚生年金加入の拡大
これまで正社員の4分の3以上(週30時間)が加入条件だったものを、週20時間以上に対象者を拡大します。ただし従業員が500人超、勤務期間が1年以上等の要件が付きます。
●産休期間中の社会保険料免除(平成24年8月22日から2年以内にスタート予定)
現在は育児休業期間中について保険料が免除されていますが、産前産後休業期間中の保険料についても免除されることになります。
これらを見てみると、「受給資格期間の短縮」や「給付金制度の創設」等、国にとって新たに財源が必要となる項目があるわけですが、これは予定されている消費税の引き上げによる税収増分で賄われる予定です。
受給期間の短縮や給付金制度の創設が、消費税が8%から10%に引き上げられる平成27年10月からスタートすることになるのもそれが理由です。8%から10%に上がる税収増を当て込んでいるということでしょう。
さまざまな改正があるものの、抜本的な改革とは言えないものです。アベノミクスと並行して年金制度の問題解決にもしっかり取り組んでいただきたいものです。
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