北欧有数の美しいレンガ造りの城郭、ハメーンリンナのハメ城
現在は湖畔ののどかな芝生の上に立つ平和的な城に見えるが、当時は十字軍との激しい攻防戦の舞台だった
現在の城郭周辺はのどかなプロムナードとして整備されている
けれど15世紀終わりごろには、すでにスウェーデン領がより東へと拡張されていたため軍事要塞としての意義は薄くなり、代わってこの地方の政治経済の中心地としての役割を果たすようになったといいます。
近づいてみるとよく分かる、丁寧に石やレンガが積み上げられた外壁は圧巻
しかし19世紀に入り、ロシアがフィンランドを制圧してからは、ハメ城もいち早くロシア軍の駐在地となっています。城は監獄として利用されることになり、国がロシアからの独立を果たした後も、1970年代までは「監獄の城」としての役目を果たし続けてきました。
現在は城内ミュージアムのほか、監獄や軍事施設も一般公開
監獄博物館は、カウリスマキ映画にも出てきそうな独房のリアルな雰囲気を感じ取ることができる
この本城に隣接している、ロシア制圧時に実際に利用されていた監獄博物館や砲兵博物館も、それぞれ見学することもできます(城内見学との共通チケットも販売しています)。監獄博物館は、独房の様子や囚人服などのアイテム、施設内での生活の様子がリアルに再現されていて、ビジュアルだけでも十分に雰囲気が伝わる興味深い施設。いっぽう砲兵博物館には、20世紀の世界大戦や内戦の際にフィンランド国防軍が扱っていた、歴代の火砲などがずらりと展示されています。屋外には実際の砲兵陣地も再現されており、マニア受けのよい博物館として注目されています。
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外観を堪能した後はぜひ内部のミュージアムへ
住所:Kustaa III:n katu 6, 13100 Hämeenlinna
TEL:+358 3 675 6820
アクセス:ハメーンリンナ駅から徒歩約30分
開館時間:火~金曜10:00~16:00、土・日曜10:00~16:00
(5月は月曜も開館、6~8月中旬は毎日11:00~18:00)
休館日:月曜(夏季以外)
入場料:城内博物館8ユーロ(学生6ユーロ、17歳以下4ユーロ)
※砲兵博物館、監獄博物館との共通券は14ユーロ
■砲兵博物館の公式サイトはこちら
■監獄博物館の公式サイトはこちら
最終ページでは、サヴォンリンナにあるオラヴィ城の歴史と、世界的に有名な夏のオペラ祭のようすをご紹介!