本物のおふくろの味に笑顔がもれる、トゥルクの名物日本食レストラン
やすこの台所
お店はさほど広くないとはいえ、バイタリティあふれるオーナーの片山安子さんがお一人で調理からサーブまでを切り盛りしている
旅先では、もちろんご当地の味を楽しみたいけれど、滞在日数が長くなるほど、誰しも無性に故郷の味が恋しくなる瞬間が訪れるもの。海外旅行とはいえ、旅のエネルギー補給をするためにも、日本人がプロデュースするおいしい日本料理レストランをチェックしておくのも大事ですよね。
テーブル席のほか、奥には古き良き「ちゃぶだいごはん」の慣習を体験できる畳席もあり
フィンランドでも近年は寿司ブームの勢いがあり、今やSushiを知らないという人は少なくなりましたが、それ以外にも世界に誇れるバラエティ豊かな日本食メニューがあることは、まだまだ浸透していません。安子さんは、日本の食卓でより身近に愛されているメニューを、現地で手に入る安心な食材を駆使して生み出す名人。素朴な「日本のおふくろの味」に誰もがほっと一息つけるようなレストランを目指すうちに、もともと日本に興味のあった市民や在住日本人はもちろん、これまで寿司以外の和食に挑戦したことのなかったような一般市民のリピーターも増えたといいます。さらに口コミで評判は広まり、今ではトゥルクに来訪中の日本人旅行者にも人気の立ち寄りスポットになりました。
メニューには寿司はもちろん、うどんから丼もの、串かつまで!
揚げ物の文化のないフィンランド人にとっては、串かつもとても新鮮でエキゾチックな食べ物!もちろん評判は上々とのこと
おつゆの出汁が身体に染み渡るシンプルなうどんのほか、カレーうどんも人気メニュー
すべてのメニューには、お茶と自家製お味噌汁がサービスで付き(うどんには味噌汁の代わりにおにぎりとお新香)、デザートにも抹茶ケーキなどの和スイーツや、安子さん自身がフィンランドの森で摘んで保存しているベリーをつかったケーキなども。また、メニューの多くはテイクアウトも可能です。
料理以外のリアルな日本文化を伝える活動も活発
別室には、茶器や昔ながらの遊び道具、季節の風物詩などがたくさん飾られていて、本物の日本文化の一端に触れることができる。最近では週一回のペースで、裏千家への留学経験のあるフィンランド人による茶道教室も開催
レストランに併設されたスペースでは、日本で本格的に茶道を学んでいたフィンランド人を講師に迎えた茶道教室なども開催。その他にも震災復興支援イベントや日本人アーティストを招致して音楽イベントを企画したりと、まさに渡航当初に安子さんが思い描いていた、日本とフィンランドとのあいだの太い架け橋が、ここにトゥルクに築かれつつあるのです。
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建物2階に日本語の看板が
住所:Yliopistonkatu 26 C 2F, 20100 Turku
TEL:+358 44 033 5507
アクセス:マーケット広場から徒歩約5分
営業時間:月~金曜12:00~18:00、土曜12:00~17:00
定休日:日曜日
平均価格:10~16ユーロ、デザート3~4ユーロ
※アルコール類は、ライトビールのみ
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