マンション物件選びのポイント/マンションの構造・耐震性

地震に強いマンション(11)耐震診断フローチャート(2ページ目)

このマンションは安全なのか、それともプロによる耐震診断を受けるべきなのか――非常に判断が難しいところですが、ひとつの目安になるフローチャートをご紹介します。鉄筋コンクリート造マンションの簡略な耐震診断としてご利用ください。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド


チェック項目:構造種別(※5)

「構造種別」とはあまり聞きなれない言葉ですが、建物の主要な骨組みを形成する材料で種類分けしたもので、木造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造などがあります。一つの建物がすべてRC造で作られていれば「同一構造」を選び次のチェック項目「構造形式」に進みますが、もし例えば「1階はRC造だが2階は鉄骨造だ」というように、一つの建物に二種類以上の構造種別を含んでいる(=混用構造)の場合はここでチェックは終了となり、「診断が必要です」となります。混用構造については下記の記事で詳しく解説しています。

【関連記事】
地震に強いマンション(8)混用構造

 
 

チェック項目:構造形式(※6)

ラーメン構造と壁式構造の違い。ラーメン構造は柱・梁のフレームで構成され、壁式は壁で建物を支える(出典:一般社団法人undefined日本建築学会)。

ラーメン構造と壁式構造の違い。ラーメン構造は柱・梁のフレームで構成され、壁式は壁で建物を支える(出典:一般社団法人 日本建築学会)

STARTから始まって中ほど※6の構造形式」まで来ました(【表1】参照)。ここでマンションが「ラーメン構造」か「壁式構造か」でチェックが分かれます。

なぜ別れるかというと、一般的にラーメン構造よりも壁式構造のほうが地震に強いと考えられているためで、壁式構造ではチェック項目が二つ少なくなります。ラーメン構造・壁式構造の違いについては下記の関連記事で解説しています。

【関連記事】
知っておきたいマンション構造の基礎知識

 

チェック項目:平面形状(※7)・立面形状(※8)

マンションの平面形状あれこれ。複雑な形状とシンプルな形状。

マンションの平面形状あれこれ。複雑な形状とシンプルな形状。

マンションの平面形状や立面形状も耐震性に影響を与えます。平面的にも立面的にも最も地震に有利な形は「長方形」に代表されるシンプルな形です。ラーメン構造でも壁式構造でも、平面形状や立面形状は大切なチェックポイントです。

シンプルとは反対に、蛇行したりセットバックしたりと複雑な形の場合、地震の揺れに弱い可能性があります。もし平面・立面形状が複雑な形をしていたら「不良」に進み、ラーメン構造のマンションは「診断が必要です」、壁式構造のマンションなら「診断をおすすめします」に分類されます。

もし平面形・立面形ともにシンプルな形であれば、ラーメン構造のマンションでは次のチェック項目「階数」に進みます。壁式構造のマンションは「安全と思われます」に分類され、終了です。建物の平面形状、立面形状について詳しくは下記の関連記事で解説しています。

【関連記事】
地震に強いマンション(3)平面形状
地震に強いマンション(4)立面形状

 

 
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