入院医療費は女性の方が少ない
女性特有の病気は治療費がどのくらいになるのか、男性と比べてどうなのか調べてみました。下記の表は、厚生労働省『医療給付実態調査平成22年度』から、国民健康保険(市町村)の性別および疾病分類別件数・日数・医療費をもとに、ガイドが1件当たりの入院日数と医療費を求めたものです。診療報酬明細書および調剤報酬明細書(レセプト)を集計対象としています。 男性の欄に数字のない傷病は女性特有(固有)の傷病と言えます。また、女性の方が圧倒的に件数の多い乳房の悪性新生物や、乳房およびその他の女性生殖器の疾患等も女性特有の傷病と言ってよさそうです。総数では、女性1件当たりの入院医療費は46万円で、男性より3万円ほど少ないことがわかります。ただ、傷病別では関節症や骨折は女性の方が多く、高血圧性疾患や虚血性心疾患は男性の方が多い等、特に統一性があるわけではありません。
受療率は女性の方が高い
男女の違いを受療率でみると、少し異なる傾向も見られます。厚生労働省『平成23年患者調査の概況』によると、入院の受療率は男性1005対女性1129で、女性の方が12%高く、外来(通院)の受療率では男性5014対女性6514で女性の方が30%も高くなっています。※受療率とは、推計患者数(調査日当日に病院等で受療した患者の推計数)を人口10万対であらわした数で、「受療率(人口10万対)=推計患者数/推計人口×100,000」で求めています。
病気やケガへの備えを医療保険等で考える場合、医療費自体は男女に大差がないことから、女性だから大きな保障が必要ということにはなりませんが、入院や通院する確率は女性の方が男性よりも高いので、女性はより確実に安心できる備えを確保しておくとよいでしょう。
【関連記事】
・ 平均入院日数は3年で1割も短縮!!
・ 推計患者数は入院が僅かに減少、通院は大幅に増加
・ がん経験者の会代表の原千晶さんにインタビュー
・ 出産費用は医療保険でまかなえる?
【関連リンク】
・ 厚生労働省『医療給付実態調査』
・ 厚生労働省『平成23年患者調査の概況』