どうすれば美味しく、もやしを冷凍保存できる?
もやしは水分が多い野菜です。水分が多く含まれる野菜は冷凍すると中の水分が凍ってしまい、解凍したときにその水分が一緒に流れ出して、味や質を変化させてしまうことがあります。足の早いもやしも冷凍できれば、冷蔵より手間なく、より長く保存できそうですが…。実際にもやしを保存し、一週間後に調理して、食べてみました。■そのまま
袋のまま、冷凍保存。もやしがそのまま凍った状態で、見た目には大きな変化はありません。手でくずすとパラパラと簡単にほぐれるので、使いたい量だけ使えます。
[茹でてみた]
まず水から茹でて、沸騰したところでザルにあけました。が、ハリはなく、クタクタの状態になってしまいました。繊維っぼさだけが残り、食べられなくはありませんが、美味しくはありません。
次に、沸騰したお湯に入れて、さっと茹でました。生のもやしはお湯からより、水から茹でた方がシャキッと仕上がりましたが、冷凍もやしはお湯からが◎。生に比べればシャキシャキ感は劣るものの、クタクタというほどではありません。これをお酢・醤油・ごま油のマリネ液で和えてみたところ、もやしならではのシャキシャキ感はないものの、柔らかくしっとりとしたマリネになって、意外と美味しい。組織が壊れるせいか、味がよく染みています。これはこれでアリです。
[炒めてみた]
まずは、鉄のフライパンを使い、煙が出るほど油をよく熱したところにもやしを入れ、一気に30秒ほど炒めました。こちらも食べられないわけではありませんが、水分が多く出てしまい、シャキッと感はありません。他の食材と一緒に炒めて食感を補ったり、あんかけにしてしまうと気にならないかも。
次に、2分ほど低温でじっくり炒めたあと、水気が出てきたら、一気に強火で水気を飛ばして、炒め上げるという方法も試してみましたが、途中で水分が多量に出てきて、炒めあがりの見た目からしてグニャグニャ。もやしの繊維だけが残ったような食感になってしまいました。
[スープにしてみた]
沸騰したお湯に凍ったままのもやしを加え、鶏がらスープの素と塩を加えて、薄く味をつけてみました。シャキッとした食感はありませんが、よく煮込んだ柔らかめのもやしといった感じ。他の野菜などと一緒に煮てしまえば気にならないかも。また、少し気になるのが、時間が経つと生じるもやしくささです。ただし、こちらも他の食材が加わって、しっかりとした味つけにすれば気にならない程度です。
■茹でる
茹でたもやしの水気をよく切り、ラップに包んで冷凍保存しました。ちなみに、『節約の味方・もやしを食べつくせ!【調理編】』では水から茹でた場合とお湯から茹でた場合、塩や油を加えた場合では食感が大きく違いましたが、冷凍した場合は塩気の違いはあっても、食感はどれも同じになってしまいました。
[そのまま]
自然解凍すると、グニャグニャでシナシナの状態。繊維だけが残っているような状態で美味しくありません。
[炒めて]
凍ったまま、よく熱した鉄のフライパンで炒めましたが、水分が出てベシャベシャに。そのまま冷凍したものを炒めたときよりも水分が多く出て、繊維っぽさだけが残り、美味しくありません。
[スープにしてみた]
沸騰したお湯に凍ったままのもやしを入れ、スープにしましたが、そのまま冷凍したもやしを使ったときよりもグニャグニャした食感。煮込みすぎというより、繊維だけの状態といった食感で美味しくありません。ただし、そのまま冷凍したもやしよりは、ニオイは気になりません。
■水ごと冷凍
冷蔵保存をするときに水につけたままだと食感が損なわれなかったので、水につけたまま冷凍してみました。
[スープにしてみた]
凍ったまま鍋に入れて、火にかけ、氷が解けたところで、鶏がらスープと塩で味を整えました。茹でて冷凍したもやし同様、繊維っぽさのある食感で、美味しくありません。
【もやしの冷蔵、一番美味しく使い勝手よく保存するには?…そのまま冷凍】
もやしは水分が多い野菜だけあって、冷凍してしまうと、生のままでも、茹でても、水と一緒でも、元のシャキシャキとした食感には戻りません。ただし、ここで試した調理法いずれの場合でも、もっとも食感が残っていたのが『そのまま冷凍』するという方法。買ってきたら、すぐに冷凍庫に入れればいいだけなので、最も手間もかかりません。
また、冷凍もやしを調理する場合、茹でるなら熱湯でさっと、炒めるなら高温で水気をできるだけ飛ばしながらが◎。食感のある食材と一緒に調理したり、とろみをつけるのも冷凍もやしを美味しく食べるポイントです。
次のページでは、冷凍もやしを美味しく食べる超簡単レシピをお届けします