マネジメント/組織マネジメントとは

組織の7S~その2「戦略(Strategy)」(2ページ目)

「組織の7S」ふたつ目の「S」は、「戦略(Strategy)」です。「戦略」とは何であるのか、有効な「戦略」策定はいかにすすめたらよいのか、「戦略」とは名ばかりの数字ばかりが独り歩きする「計画」はなぜ作られてしまうのか、について分かりやすく説明します。

大関 暁夫

大関 暁夫

組織マネジメント ガイド

東北大学卒。横浜銀行入行後、支店長として数多くの企業の組織活動のアドバイザリーを務めるとともに、本部勤務時代には経営企画部門、マーケティング部門を歴任し自社の組織運営にも腕をふるった。独立後は、企業コンサルタントの傍ら上場企業役員として企業運営に携わる。

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「自社分析」は一言で言うなら、「強み」「弱み」の正確な把握に尽きます。ただし注意しなくてはいけないのは、自社分析における不十分な「強み」把握という陥りやすいエラーです。自社の分析をするとなると、「弱み」や問題点はたくさん出てくるのに、「強み」が正確に把握できていないというケースが間々あるのです。各商品のPPM分析やSWOT分析と言ったフレームワークも有効に活用しながら、自社の「強み」「弱み」を正確に把握するように心がけましょう。


「戦略」策定は計数計画に魂を入れる作業

さて、このような現状分析を経ていよいよ「戦略」の策定に移ります。「戦略」策定に必要な事は、現状分析を踏まえた上での「コアコンピタンス」「ドメイン」の明確化と目標に至るシナリオの作成がそのすべてです。「コアコンピタンス」とは、他社に勝る自社の優位点のことであり、先の「強み」分析をもとに導かれたライバルと戦う際の“切り札的”武器と言っていいでしょう。一方の「ドメイン」とは主戦マーケットのことであり、それを明確化することはどこを主な戦い場所とするかを決めることを意味しています。

「何を主な武器として」「どこを主な市場として」戦うのかが明らかになったなら、さらにその進め方をシナリオ化して提示することで初めて、「戦略」として有効に機能するものの完成に至ります。シナリオ化とは、「何を、どのようなステップで、誰に対して、どのようにして、どれだけ売るか」を具体化する作業であり、「行動計画」の策定とも言い換えることができます。この段階でよくあるエラーは、「何を、どれだけ売るか」だけが決められて他の部分が抜け落ちてしまうケースです。これでは「戦略」とは名ばかりの単なる「計数計画」に成り下がってしまい、数字が独り歩きする“絵に描いた餅”になってしまうのです。
解説

戦略は(「コアコンピタンス」+「ドメイン」)×シナリオ化


「戦略」策定とは、環境分析によって武器と戦う場所を決め、さらにどのようにして戦うかまでをしっかりと指し示すものであり、計数計画に魂を入れる作業であると言っていいでしょう。
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