ガーデニング・園芸/ガーデニング関連情報

ガーデニングのレイアウト……トライアングルマジックで庭に広がりを

今回は、植栽や鉢などガーデニングのレイアウトにちょっとしたマジックを加えて、ビギナーからの脱却を目指しましょう! ほんのちょっとしたテクニックを加えることで、のっぺらぼうな植栽を奥行きと広がりのあるものに変えられたら素敵ですよね。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

ガーデニングのレイアウトにちょっとしたマジックを

ガーデニングのレイアウト

美しい毛氈花壇も家庭には不向き

ガーデニングビギナーの頃というのは私にも経験がありますが、園芸店やホームセンターで売られている様々な植物を、ついあれもこれもと手当たり次第に植えてみたくなってしまうものです。
スペースに余裕があるうちはまだいいのですが、それが庭のキャパシティーを超えた量になると、途端に雑然としたものになってしまいますよね。
ズラリと並んだ花鉢は壮観だけど、ちょっと単調

ズラリと並んだ花鉢は壮観だけど、ちょっと単調

また、環境条件だけで判断して植えつけてしまい、結果的に何となく平面的な、のっぺらぼうな植栽になってしまった……というのもビギナーにはありがちです。これは庭植えだけでなく、鉢植えもまた然りです。たくさんの鉢植えや寄せ植えをただズラリと並べていたのでは、せっかくの花も引き立ちません。

ここにほんのちょっとしたテクニックを加えることで、のっぺらぼうな植栽を奥行きと広がりのあるものに変えられたら素敵ですよね。さて、そのテクニックとは……?
 

トライアングルの法則

フレーミング

フレーミング(構図)の基本はガーデニングにも

メンデルの法則とかマーフィーの法則とかはあるけど、トライアングルの法則ってあったっけ?と思われた方、ご安心ください。受験勉強には決して出てこない言葉でしょう。
さて、「トライアングル」とは御存知の通り「三角形」のことですが、実はこの三角形が庭の植栽デザインに大きく関わっているのです。

絵画やデザイン、写真を嗜んでいる方は、「三角構図」というのを聞いたことがあるのではないでしょうか。構成物をどのようにフレームやキャンバスの中に配置するのかは、作品作りの上で非常に重要ですよね。
この構図には、メインの対象物を中心に据える「日の丸構図」、曲線で構成されているものをS字形に配置して奥行き感やリズムを表現する「曲線構図」、左右対称で安定感のある「シンメトリー構図」、そして見るものに安定・安心感を与える「三角構図」などがあります。

シンメトリーは西洋のフォーマルガーデンでよく用いられる構図ですが、今回注目したいのはあくまでも「三角構図」です。実は日本庭園の作庭技法でも、不等辺三角形の理論というのがあるのです。
 

日本庭園にみる不等辺三角形の理論

三石組み

三つの石を不等辺三角形に配置

日本庭園は、主に庭石と樹木で景色を作ります。たくさんの庭石を用いている庭園も多く、その配置に法則を見出すのは難しいかもしれませんが、庭石の据え方には景石(一石)、二石組み、三石組み(三尊石組み)などの組み方があるのです。
中でも最も基本的な三石組みは、メインとなる「主石」とサブとなる「副石」、メインとサブのバランスをとる「添石」の三つの石を不等辺三角形に配します。
 
龍安寺石庭

龍安寺の石庭は、五、二、三、二、三の合計15個の石で構成される

樹木の配置

樹木の配置も不等辺三角形に

樹木においても生垣以外で一列に並べて植えることはなく、メインとなるものを「真」、それに対するものを「対」、二つのバランスを取るものとして「添え」を配して植えます。これは、生け花でも使われる理論ですね。

日本庭園の植栽はこの不等辺三角形の理論を活かし、主となる三角形を中心に次々と三角形を足していくことで、自然風の植栽に仕上げていくのです。この理論は図面上、つまり二次元のことだけではなく、三次元においても適用されます。このことにより庭全体に奥行きと高さ、そして広がりが生まれるのです。
 

レッツ、トライアングルマジック!

さて、日本庭園で培われたこのすばらしい技法、現代の庭にも活用しない手はありませんよね。平面的なのっぺらぼう植栽に、まるでマジックのように庭に立体感と遠近感で広がりを生み出してくれることでしょう。もちろん庭の植栽だけでなく寄せ植えの植栽レイアウトや、たくさん増えてしまった鉢にも応用できますよ。
トライアングルの法則

この法則で、のっぺらぼう植栽から脱却!

トライアングルの植栽

樹木を利用したトライアングル

右の画像は樹木を中心に据えて、草花でトライアングルを作り出しています。樹木の分だけ高さが出ますし、裾に広がるように宿根草や一年草を配することで安定感のある構図になりますね。
注意したいのは、草花は植え付け時とその後で、草丈や株張りが大きく変化する点です。最終的にどのくらいの大きさになるのかを想定して植栽プランを立てましょう。

なお、せっかくトライアングルを意識してプランニングしても植え付け時は苗が小さいため、どうしても平面的になりがちです。そんなときは、ここでもトライアングルマジック!寄せ植えなど鉢物を置いて高さを出し、変化をつけましょう。

庭の植栽、寄せ植え、寄せ鉢、そしてガーデンデコレーションにと、様々に応用できるトライアングルマジック。お庭のグレードアップに、ちょっと意識して取り入れてみませんか?

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