古き良き東フィンランドの味と文化に思いを馳せて
Konstan Möljä
その昔、カレリア地方の島の桟橋として本当に使われていた足場をそのままレストランに持ち込んで内装にしてしまったという、見せかけでない文化の伝承にこだわるお店
団体用部屋には、創業者のセッポ氏自らが描いたという古き良きヴィープリの街の絵が残る
彼が生まれたヴィープリ(Viipuri)という街は、かつてはフィンランド第2の都市として栄えた、カレリア地方を代表する港町でした。ところが20世紀に入ると、ヴィープリの街は割譲を要求する旧ソ連との間で幾度も戦禍をこうむり、第2時世界大戦後ついにフィンランドは譲渡を許してしまいました。今でも、ヴィープリはロシア領なので、滞在にはヴィザが必要になります。
店内には、ヴィープリから持ち込んださまざまな日用品や写真が飾られ、往時の記憶をそこに留めている
デッキに限らず、店内のあちこちにインテリアとして目につく古びた漁業道具や日用品、壁にかかる織物などはすべて、ヴィープリの海辺でかつて現役だったものばかり。店内の何もかもが、観光者を喜ばせるレプリカではなく、往時の記憶を留める「証拠品」であることが、ご主人の何よりの誇りです。
奥さんの郷土の味を、ビュッフェ形式で
ビュッフェ形式をとる食卓には、どっしりとしたカレリア地方の郷土料理を中心に、奥さんの手料理が何品も並ぶ
料理を手がける奥さんは、かつて要人たちの料理を手がけていた経歴を持つシェフで、味は確か。また、ご夫妻の趣味のひとつがキノコ狩り。夏季休暇などには何週間も森に入り続け、そこでどっさりと収穫したキノコも、年間を通して料理に利用されるそうです。
ぜひ、フィンランド人がノスタルジーを覚える古き良きカレリア地方に思いを馳せながら、満腹になるまでおいしい手料理を堪能ください。
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フィンランド国旗と大きなM字のロゴを目印に
住所:Hietalahdenkatu 14, 00180 Helsinki
TEL:+358 9 694 7504
アクセス:トラム6「Hietalahdenkatu」下車徒歩約2分
営業時間:火~金曜17:00~22:00、土曜16:00~23:00
定休日:日・月曜日、7月は夏季休暇、年末年始休暇あり
平均価格:ビュッフェ19ユーロ、アラカルトメニュー10ユーロ~
※大人数の場合予約が望ましい
※上記データは記事公開時点のものです。
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