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介護にも「キャリア段位制度」が導入されます(2ページ目)

皆さんは介護業界で始まったばかりの「キャリア段位制度」って聞いたことがありますか。まだ始まったばかりのため、おそらく現役の介護職員にもほとんど知られていないのが現状です。このキャリア段位制度とは内閣府が始めた国家戦略・プロフェッショナル検定であり、現場で働く介護職員の本当の実力をレベル1からレベル7の段階の基準で評価していく仕組みです。これらの制度が介護職員にどのように役立つのかをみていきましょう。

井上 ルミ子

執筆者:井上 ルミ子

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「キャリア段位制度」のレベルと内容

段位は基本的な知識や技術を身に付けたレベル1から、技量や指導力に応じて最上位のレベル7まで設定されています。現時点においてレベル4までが認定されており、将来的にはレベル5~7が作られる予定です。介護職員初任者研修、ホームヘルパー2級研修修了者などがエントリーした段階でレベル1に属することとなり、ここからレベル2を目指すことになります。レベル2では「ある程度の仕事ができるレベル」レベル3では「指示などがなくても一人前の仕事ができる」と求められる段階が上がっていきます。

評価は「わかる(知識)」と「できる(実施スキル)」の両面が揃って評価を行う仕組みになっています。「わかる(知識)」の部分は、取得している介護福祉士やヘルパー2級などの資格でランク付けされ、「できる(実施スキル)」は、働いている現場の中で評価基準にしたがって評価し、両者が一致した時にそのレベルの段位が認定されます。

「キャリア段位制度」のチェック項目の内容

ではここで、認定項目の一つ「食事介助」を例に、どのような視点で評価されるかをイメージしてみましょう。未経験の方は、「食事介助」ってどのように行うのだろうと思われませんか。よく耳にする言葉であり、資格を取得する研修の中で必ず教えられる介助の一つです。しかし座学で習っても、実際の現場では、人それぞれに実力の差が出てきます。食事介助に対する正しい知識を身につけた人、忘れた人、もともと観察力のある人、ない人によって安全で快適な食事介助が左右されます。自分ではやっているつもりでも、単に食べさせる作業で終わっている人に段位は与えられません。ここに記載されているような手順に従って、決められたことを正しく実行していると認められた時に、初めて段位が与えられます。

評価基準の一部

キャリア段位制度 期末評価票



「キャリア段位制度」が導入されることによって

もちろん始まったばかりで介護業界で認知されるまでには時間がかかるでしょう。認知が進み所属している職場がキャリア段位制度を採用しないと段位は取得できません。しかし、発行されている評価材料を現場の自主チェック表として有効活用することも普及の第一歩です。

長い間介護業界では「先輩の介護職員が行っている介護内容を見て覚える」あるいは「経験的にこの高齢者はこう判断する」といった経験主義的な方法によって介護技術を伝達しがちでした。

キャリア段位制度は、この感覚でやってきたことを文章化し一定のレベルを分かり易く伝える仕組みです。事業所側も介護職側も同じ基準で一定の実力を推し量ることが可能となり、段位が上がればそれだけ必要とされる存在として認められ易くなります。どの業界でも必要とされる人は、報酬増や再就職に有利に繋がります。また転職される初心者の方にとっても、一つの指標として半年、1年と頑張った先に目指すべき目標があるのは、心強い第一歩になるのではと思います。

国家戦略・プロフェッショナル検定 介護プロフェッショナルキャリア段位制度
careprofessional.org/careproweb/jsp/

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