ギネスの製造工程を知る
ブリューマイスターがお出迎え
ギネスの味の決め手、ウィックロウの天然水
水、ホップ、麦、イースト。このシンプルな材料を使った伝統的なレシピを守り、いかにして昔と変わらない味を今日の最新の設備でつくっているかを説明するブリューマスターの映像からスタートします。
この製造工程を紹介するコーナーに近年新しく登場したのが、「テイスティング・ルーム」というセクション。こちらでは、ギネスで製造の際に実際に行われているテイスティングの方法を学びながら、小さなコップに注がれたギネスを試飲できます。室内には原料の香りが立ちこめていたりと、プロさながらのテイスティングのシチュエーションにテンションも上がります。
アイデア溢れる展示。その歴史を語る歴代ボトルや樽
ギネスの歴史を物語る館内に並ぶ歴代ボトル
世界中で飲まれるまでに有名になったギネス。その鮮度を保ちながら輸送するためには、クラフトマンシップの光る樽がいかに重要だったかということが紹介されています。現在では約150カ国で飲まれているギネスもはじめはこうしてスタートしたんですね。
サイネージも兼ねた樽の展示
その周辺コーナーは、このように樽を生かした内装に。ギネスストアハウスの面白さは、歴要所要所でブランドのキーアイテムを上手に使ってその伝統と歩み見せているところ。 アイテムの使い方がダイナミックでインパクト大。こういう部分はとてもアイルランドらしいといえるかもしれません。
アイリッシュジョーク満載!? ギネスの広告コレクション
ユニークなポスター類は必見
ギネスストアハウスに来たら、ぜひ注目してほしいのがそのユニークな広告コレクション。いろいろと数を見てみると、「ギネスはカラダにいい」「飲むと力が出る」的な、健康訴求のものが多いことに気づかれるかもしれません。でもこれ、アイルランドでは通説なのです。実際にギネスファンはお年寄りに多く、私が一時期お世話になっていたご家庭のおばあちゃんは、ハーフパイントに同量の牛乳を入れて毎晩夕飯時に一緒にいただいていたギネス愛好者。当時90歳を越えていましたが、やはりすごく元気でした。
デザインの面白いラベルもいろいろ
ギネスの広告の話に戻りますが、ギネスのキャッチコピーは短くてポンとストレートに頭に入ってくるものが多いです。それでいて上手に語呂を踏んでいて、コピーのお手本とも言えそうです。またイラストとコピーが上手に補完し合っているものが多いのもポイント。広告賞の受賞歴の多さも、このコレクションを見ると納得がいきます。また、こちらではポスターやパッケージ関連だけでなく、ギネスのテレビコマーシャルも見ることができます。
自分でサーブして味わう!ギネスアカデミー
お店で使われているサーバーと同じものが用意されている
ギネスストアハウスの中でも比較的新しいアトラクション「ギネスアカデミー」。ここは、ギネスの正しいつぎ方を教えてもらい、習った後にはここだけで発行される証明書がもらえます。
自分でサーブできるという特別なシチュエーションはここでしか味わえない
特筆すべきは、なんといっても自分でサーバーを使ってギネスをつぐことができるという点。アイルランドで飲むギネスは言わずもがな、鮮度が抜群でとにかくおいしいのですが、醸造所に併設されているストアハウスのものは、それに輪をかけて格別な味わいです。自分でサーブすれば、その特別感もあいまって、旅のいい思い出になるでしょう。
サージング中のギネス。所要時間は約2分だとか
注ぎ方は、オリジナルグラスのハープの部分までついだら一度サーブする手を止めて、泡が上に登るのを待ちます。このガスが上がってくる工程をサージングと呼び、この工程がクリーミーな泡を作り出すそうです。窒素と二酸化炭素がグラス内で混ざり合い、泡が上に上がりきるときれいな濃い茶色(ギネスはルービーレッドという表現をしています)のギネスになります。通常のドラフトビールは泡をサーバーから注ぎますが、その点ギネスはグラスの中でみずから泡を作り出す。そんな違いを目の前で見られるのも面白そうです。
次のページでは、いよいよ
最上階のグラヴィティバーへ。新鮮な醸造所のギネスを、ダブリン一高い場所という最高のロケーションで飲む。これで、おいしくないわけがありません。