アイルランド的な銅像、石像の数々

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オコンネルストリートの入り口にある国の英雄オコンネルの像

ダブリンは徒歩でどこへでもアクセスできるコンパクトな街ですが、そのサイズのわりに行く先々で次から次に目にするほどたくさんの銅像や石像があります。アイルランドの国政に貢献した人物や、アイルランドを文学の国と呼ばれるまでにした文豪たち、ケルト神話の登場人物や歌に歌われた魚売りの女性の銅像まで、そのモチーフは多岐に渡りますが、どれもとてもアイルランド的で、知っておけば街歩きがさらに楽しくなるはず。今回はそんな銅像たちをご紹介します。

オコンネルネルストリート界隈の銅像たち

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在りし日のオコンネルストリートの風景。当時から通行量の多い通りだったことがわかる

ダブリン北側のメインストリートでもあるオコンネルストリートには、とくに銅像が多く点在するエリア。まずはこちらの通りの銅像から順にご紹介します。

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オコンネル像

■ダニエル・オコンネル
イギリスの統治時代の19世紀初頭、カトリック教徒の選挙権や議会の議席獲得、公職に就く権利の獲得のために戦い、カトリック開放令に貢献した人物。ダブリンの中心地でもひときわ大きなこの通りの名前になっているだけでなく、通りの先頭に立つオコンネル像。アイルランドの歴史の中でいかに重要な人物であったかががわかります。

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パーネル像

■チャールズ・スチュワート・パーネル
19世紀末のアイルランドの政治指導者チャールズ・スチュワート・パーネル。イギリスの不在地主からアイルランドの農民の土地に戻すために尽力し、自治を目指して活動した政治家。リフィーリバー側から見てオコンネルストリートの終わりあたりに交差するパーネルストリートにあります。

■ジェームス・ジョイス
アイルランドの文豪の中でもひときわ有名であり、また「ユリシーズ」や「ダブリナーズ」をはじめ、ダブリンの街を舞台にした作品を多く残しているジョイスの像はオコンネルストリートのちょうど真ん中あたりに位置するカフェ「kylemore」のすぐ横、タルボットストリートにあります。

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クーフリン

■クーフリン
同じくオコンネルストリートの真ん中あたりに位置し、オコンネルストリートをはさんで前述のカフェ「kylemore」の逆側に位置するのが中央郵便局。この中にはケルト神話に登場する戦士クーフリンの美しい像があります。もともとの美しい容貌とは対照的に、戦いになると、普段からは想像もつかない姿に変わったとも。


■ジム・ラーキン
アイルラン20世紀初頭、ダブリンの街はスラム化し、
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ジム・ラーキン像

乳児死亡率はヨーロッパ一、その日食べるものにも困るというような暮らしを多くの人がしていたといいます。アイルランドではじめて労働組合をつくったジム・ラーキンは、劣悪な労働条件のもと働かざるをえず、このような貧しい暮らしから這い上がれない人々のために、1913年8月、オコンネルストリートで群集にストライキを呼びかけたといいます。彼の像はダブリンのランドマーク、空に突き刺さるように伸びるモニュメント「スパイア」の前。

ダブリン南側界隈の銅像たち

北側と比較すると、よりユニークな印象の銅像、石像が多いのが南側のエリア。

■ジョージ・サルモン(トリニティカレッジ内)
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本人は嫌われ者でありながら人気のある像ジョージ・サルモン

トリニティカレッジの現役学生のうち、68%が女性であるというデータがあるものの、20世紀のはじめまでは、女性が学位を取得することはできませんでした。こちらの石像はかつての学部長ジョージ・サルモンなのですが、彼は女性がこの大学で学位をとることを反対していたことで有名な人物。皮肉にも女性の入学をしぶしぶ認めた直後に亡くなっています。現在、この像の前で写真を撮る女性たちの姿が卒業式の風物詩。

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モリーマロン像

■モリー・マロン(グラフトンストリート手前)
ダブリンを舞台にしたフォークソングのモチーフにもなっている魚売りの女性の像。人通りの多いグラフトンストリートのそばに位置することから、ダブリンを訪れた人なら必ず一度はお目にかかるこちらの銅像は、観光客にとにかく人気。いつも写真を撮る人たちで人だかりができています。


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ジェームスジョイスの胸像

■ジェームス・ジョイス(セントスティーブンスグリーン内)
タルボットストリートにあるジョイスの像のほか、ダブリナーたちの憩いの場である9ヘクタールからなる公園セントスティーブンスグリーン内にもジョイスの胸像があります。



■オスカー・ワイルド(メリオンスクエア内)
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オスカーワイルド

アイルランドの文豪でジョイスと並んで有名なオスカーワイルドの石像はメリオンスクエアの入り口付近にあります。石造にしてはめずらしく衣装に彩色がほどこされていたり、またポーズも本人のキャラクターが感じられてユニーク。ちなみに、オスカー・ワイルドが住んだ家は、この石像にちょうど向かいあうようにして建っているジョージアンハウス(No.1)。

今回は主なものをご紹介しましたが、まだまだ他にもたくさんあるダブリンの銅像の数々。気になるものがあれば、石碑やプレートをチェックして後で調べてみれば、アイルランドという国をさらに知るきっかけになりそうですね。


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