部首を知ろう
漢和辞典には、「部首索引」というものがあります。文字通り、部首から漢字を調べるのに適しています。長年、ガイドが子どもたちに漢字を教えてきて痛感したことは、漢字が苦手な子のほとんどが「部首を知らない」ということです。「イ(にんべん)」のことを「いへん」と言ったり、「言(ごんべん)」のことを「いうへん」と言ったりする始末。これでは漢字が覚えられるはずもありません。「神」という字の部首は「示(しめすへん)」、「裸」という字の部首は「衣(ころもへん)」など、部首の意味や由来なども合わせて学ぶことが大切です。「へん」「つくり」「かんむり」「あし」「たれ」「にょう」「かまえ」を、それぞれ3~7個は言えるようにしたいものです。
そのためには、部首かるたを作ったり、部首フラッシュカードを作ったりして、ゲーム形式で楽しく学ぶことをオススメします。「かるた」「フラッシュカード」となるとハードルが高いように感じますが、市販されているミシン目入りの名刺カードを使えば、家庭用プリンタでも簡単に作れます。また、100円ショップでスケッチブックを購入して、1ページに1つ、表面に部首、裏面に部首名・意味などを書けば、簡単にフラッシュカードが作れます。
※部首には諸説があり、複数の部首名がある場合があります
漢字そのものの意味を知ろう
「便宜(べんぎ)」という熟語があります。当然のことながら、「宜」という字は「ギ」と読みます。それでは、「旧誼」「交誼」は、それぞれ何と読むでしょうか。「誼」という字は、「ギ」「よしみ」と読みます。ですから、それぞれ、「きゅうぎ」「こうぎ」と読みます。では、意味はどうでしょうか。「誼」という字の意味は、親しい関係などです。昔のよしみと言いますよね。つまり、「誼=親しい関係」ですから、「旧誼」は古いなじみ、昔のよしみという意味で、「交誼」は親しい交際という意味になります。
このように、読んだことがない熟語でも、知っている部分をヒントに読むことができます。同様に、おおよその意味についても、推測することができます。これが、漢字のすばらしさです。
ゆとり教育だ、詰め込み教育だと批判されることが少なくない日本の教育ですが、こうした漢字の成り立ちなど過程を無視して、できあがった漢字だけを覚えようとしたら、それはただの詰め込み型の勉強になってしまいます。基本的な読み書きは、適度な反復練習が必要ですが、漢字の成り立ちや部首、漢字そのものの意味など、深めたり広げたりする勉強も時には大切です。