フィンランド/フィンランド基本情報

フィンランドの祝日・イベントカレンダー(3ページ目)

フィンランドの月ごとの祝日休暇やイベントについて紹介。祝日には、街のあらゆるお店が閉まってゴーストタウン化してしまい、そうとは知らず観光者が悲惨な思いをするケースも。旅行前には、ぜひ滞在日前後のイベントカレンダーをチェックしておいてくださいね。

こばやし あやな

執筆者:こばやし あやな

フィンランドガイド


3月の祝日・イベントカレンダー

イースター(1)

ぱっと視界を明るくさせる黄色いスイセンは、フィンランドのイースターの象徴花。イースター休暇が近づくと、マーケットなどで盛んに売られる

3月下旬(毎年変動、年によっては4月の場合も)に訪れるPääsiäinen(イースター)の時期の旅行は注意が必要です。正式な祭日であるイースター当日および翌日のイースターマンデーは、多くの店舗が休業。さらにその前後の土日とくっつけて、4日から一週間程度のイースター休暇を取る人も多いので、この期間は臨時休業や縮小営業など変速的な営業・開館状況を覚悟しなければなりません。行きたいお店がある場合は、事前に営業時間をチェックしておきましょう。

イースター(2)

イースターシーズンが近づくと、どこのスーパーにも並ぶエッグチョコとひよこの人形

イースターシーズンは観光にはやや不便を感じるとは思いますが、この時期ならではのモチーフや食べ物も多く、テーマカラーの黄色と黄緑色に彩られた街なかでは、素敵なイースターグッズにたくさん出会えます。

たとえば、黄色いスイセンやネコヤナギの枝、うさぎやひよこの置物がイースターの象徴として庭先や窓辺に飾られるため、それらをデザインした小物や絵葉書なども多く売られます。また、大きな卵型のチョコの中にムーミンなど人気フィギュアの入ったエッグチョコは、イースターシーズンのおみやげにもぴったり!

 

4月の祝日・イベントカレンダー

ヴァップ(2)

大学生たちが街の一番有名な銅像のもとに集い、その像を洗って学生帽をかぶせる……というやや理解に苦しむパフォーマンスは、ヴァップ(メーデー)前日である4月30日の恒例行事。銅像が帽子をかぶった瞬間から、2日に及ぶ学生たちの祭典が始まる

4月は、上述したように年によってはイースター休暇がかかることがありますが、それ以外はいわゆる祭日はありません。

ただし4月30日は、Vappu(ヴァップ/メーデー)の前夜祭ということで、街全体が異様な雰囲気に包まれます。フィンランドでは、メーデーの主役はなぜか労働者ではなく学生たち。30日の午後には、各研究室のユニフォーム代わりのつなぎを着た大学生たちが続々と中心街に集いはじめます。

ヴァップ(2)

ヴァップ開始宣言後は、ヘルシンキ大聖堂前の階段や広場もおびただしい数の学生たちで埋め尽くされる

この日のメインイベントは、夕方に各大学街で行われる「銅像着帽」の儀式。学生たちがその街の有名な銅像のある広場に集い(ヘルシンキだと、マーケット広場横のアマンダの乙女像が一番人気)、趣向を凝らした派手なパフォーマンスとともにまずは像をモップで洗い、代表者が像に白い学生帽をかぶせる瞬間を、皆で固唾を飲んで見守るのです。

像が無事に着帽したら、それが他国より一足早いヴァップ始まりの証。学生たちも一斉に自分の学生帽をかぶり、屋内外でところ構わず飲むわ騒ぐわ……の、一般人にとっては少々迷惑な活劇が始まります。

夜が更けるほどたちが悪くなる若者も多いので注意は必要ですが、このやや異様な一連のイベント模様は、学生たちに紛れてこっそり鑑賞するのもおもしろいでしょう。なお、30日のお店の営業状況も変則的、または休業となる場合があるのでご注意ください。



5月の祝日・イベントカレンダー

ヴァップ(3)

5月1日のヴァップ本番の日は、一家総出でピクニックに出かけるのがフィンランド流。大人たちも、かつての栄光の証である学生帽をかぶり、お弁当やグリルセットを持って近隣の公園に繰り出す

5月1日のヴァップ(メーデー)本番の日は、前夜から飲み明かしていた学生たちはおとなしく自宅静養する人が多く、代わって今度はあらゆる世代の市民が、日中ピクニックに繰り出すというのが習わしです。極北に暮らすフィンランド人にとって、ヴァップの意義の1つは「春の訪れを祝うこと」。実際この時期はまだまだ寒いものですが(雪がちらつく年もある)、それでもずいぶん暖かさを感じられるようになってきた日差しと、柔らかな新芽の心地良い芝生を求めて、誰もがお弁当や飲み物、グリルセット片手に、近隣の公園に駆けつけるのです。

ヴァップ(4)

ヴァップの日には、あちこちで風船が売り歩かれるのもよく見る光景

おかげで、普段は閑散としている公園や湖岸は人波であふれかえり、迷子が続出するほどの大混乱を極めている場所も……。それでも皆でにぎやかに春の始まりを堪能したいという発想が、長い冬に堪えてきたフィンランド人ならでは、と言えるでしょう。

この日は、レストランやカフェなどは比較的よく営業していますが、終日閉店してしまうお店も少なくないので、通常観光は諦めて、前日に買い置きしておいた食べ物や飲み物を片手に、現地人と一緒になってピクニックを楽しんでみるのも、よい思い出になるのではないでしょうか。

 

5月はこの他に、イースターから数えて40日後の木曜日に定められるHalatorstai(昇天祭)、イースターから50日後の日曜日に定められるHelluntai(聖霊降臨祭)の各日が祝祭日となり、お店が一斉休業します。いずれも指定日が毎年大幅に変動しますので、事前チェックを忘れずに。



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では、6月から9月までの休暇、イベント情報を一挙ご紹介!

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