ジョージタウンの世界遺産とその見所
ジョージタウンのタウンホール。パステルカラーとかわいらしいデザインがコロニアル式の特徴だ。隣には白亜のシティーホールがある
ヴィクトリア・メモリアル時計台
■コーンウォリス要塞とヴィクトリア・メモリアル時計台
1786年にペナン島がイギリスに割譲され、フランシス・ライトがはじめて上陸した地に建てられた要塞がコーンウォリスだ。この要塞はイギリス軍の駐屯地として機能した。時計台は1897年にヴィクトリア女王の即位60周年を記念して造られたもので、60フィート(約20m)の高さがある。
■各種公共施設群
エドワード・バロック式の傑作シティホール
■セント・ジョージ教会、聖母被昇天大聖堂、ペナン博物館
フランシス・ライトが上陸とほぼ同時期に建てた聖堂が聖母被昇天大聖堂だ。ただし、現在の建物は1861年に建て替えられたもの。白大理石と白い尖塔が美しい教会は1818年に竣工したセント・ジョージ教会で、東南アジア最古の教会といわれている。その間にはペナン博物館があり、島の歴史を知ることができる。
■ペナン・プラナカン・マンション
大商人の生活を垣間見ることのできるペナン・プラナカン・マンション
■クアン・イン(観音寺)
寺の歴史はイギリス統治以前、1728年にまでさかのぼるが、現在の建物は1800年に造られた。ペナン最古の中国寺院で観音菩薩を祀っているが、願いごとをかなえる慈愛の女神として篤い信仰を集めている。
■マハ・マリアマン寺院
1883年建立のペナン最古のヒンドゥー寺院。入り口のゴープラム(門塔)に38の神像が彫り込まれているほか、内部も破壊シヴァと男性器の象徴であるリンガや、女性器を示すヨーニ、半人半象のガネーシャなど、多数の神像で彩られている。
■カピタン・クリン・モスク、アチェ・モスク
クー・コンシー。わかりにくい場所にあるが、ぜひ行ってほしい
■クー・コンシー(邸公司)、各種公司
「公司」は中華系の人々が氏神を祀る霊廟で、一族はこの周囲に集まって生活した。一族が暮らす家々が城壁のように霊廟を取り囲んでおり、まるで要塞のよう。コンシーの中でも特に美しいのがクー・コンシーで、柱、屋根、梁、窓、祭壇、壁、天井……至るところに彫刻、絵画などの精緻な装飾が施されている。周囲にはヤップ・コンシー(叶公司)、リム・コンシー(林公司)、中国寺院等がある。
■クラン・ジェッティー(水上住宅群)
周氏の橋。周囲の家々はすべて海上にある
さて、マラッカとジョージタウンの名所を解説してきたが、どちらの街もこうした建物だけでなく、街そのものが世界遺産に登録されている。何気ない家の壁がとんでもなく絵になったりするので、ぜひふらふら迷い歩いてほしい。また、世界遺産登録地の外にも数多くの見所があるので、そちらもお忘れなく。