行政書士試験/行政書士のキャリア・開業

理系を活かせる行政書士資格(2ページ目)

あまり知られていませんが、理系の方も行政書士資格を活かすことができます。その方法をご説明します。

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド

4、知的所有権を活かして行政書士へ

行政書士の業務は広範囲であり、知的所有権に関係するものも少なくありません。著作権登録は文化庁管轄なので行政書士業務です(行政書士法1条)。また、特許申請は弁理士の仕事であり行政書士は関与できませんが、特許権取得後、その権利変動についての契約書作成をすることができます。

私も企業から知的所有権に関する契約書作成の依頼を受けて作成することがあります。しかし、専門的知識がない分野についての契約書作成は困難を極めます。そして、知的所有権の契約書は、専門とする事務所は別ですが、一般に法律事務所や行政書士事務所は扱いたがらない傾向があります。私が受けた依頼の中にも、弁護士や行政書士に断られたから回ってきたことが何回かあります。

理系の知識と法律の知識をうまく組み合わせることができれば、高度の専門性を持った行政書士業務を展開することができると思います。競争者が少ないため成功する可能性は高いと思います。

5、農学系は種苗法専門の行政書士へ

種苗法は、「コシヒカリ」など植物の新品種の創作の保護を定めた法律です。種苗法の申請は農林水産省管轄であり行政書士の仕事です(行政書士法1条)。

この分野を扱っている行政書士事務所はとても少ないです。仕事獲得に努力は必要だとは思いますが、種苗法申請に限らずにその周辺の権利関係の仕事も合わせて行えば、チャンスが眠っている分野だと思います。

なお、農家との結びつきが強いのであれば、農地転用という仕事もあります。比較的仕事の多い分野です。売り込む際に、農学を勉強していたという経験があればやはり対応は違ってくると思います。

6、医学系は医療法人を専門とする行政書士へ

医者との関係が深い職種で人脈があるのであれば、行政書士資格を取得することにより医療法人関係の仕事をすることができます。この分野は相続などの分野と同様、税理士の競争関係が激しい分野です。しかし、一件あたりの報酬は比較的高めで、継続的な仕事も見込めます。医療法人は典型的な優良顧客ですので、安定的な事務所経営も可能です。
【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で行政書士試験の参考書を見るAmazon で行政書士試験の参考書を見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます