1. 行政書士試験合格から司法試験という選択肢

行政書士試験合格後に、合格者から進路相談を受けることがあります。社労士などが一般的ですが、司法試験を目指す人も少なくありません。そこで、今回は、行政書士試験から司法試験を受験することについて書いていきます。

2. 受験上のメリットは

行政書士試験合格者は、司法試験を受験する上でのメリットはあるのでしょうか。

最大のメリットは、「試験科目の共通性」です。行政書士試験の試験科目のうち司法試験が共通する科目は、憲法、行政法、民法、会社法になります。逆に、共通しないのは、法律科目の基礎法学、一般知識だけです。点数配分で言うと、行政書士試験中300点中のうち236点、つまり、行政書士試験の8割の内容が司法試験と共通します。

なお、司法試験には他に、民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法・選択科目(破産法等)があり、これらの科目は行政書士試験では出題されません。

このように試験科目が重複しますので、これから司法試験を勉強するライバル達と比べると、スタート地点で大きなアドバンテージがあると言えます。

ただ、注意を要するのは、いくら試験科目が共通していても、問題の難易度がかなり異なることです。つまり、行政書士試験で憲法の勉強をしたからといって、司法試験で憲法の勉強をしなくてよい、というわけではありません。ただ、行政書士の知識が司法試験でまったく活かせないかというと、そんなことはありません。たとえば、司法試験の択一試験には行政書士試験合格者ならば解ける問題がいくつもあります。

では、行政書士試験合格者のレベルは、司法試験受験生のレベルで言えば、どのくらいのレベルと考えればいいのでしょうか。これを明らかにすれば、大まかながらも、どれくらい勉強すればいいのか予測できます。

まず、司法試験合格までに、一般的な司法試験受験生は、法学部で4年間、法科大学院で2~3年間、卒業後1~3年間の勉強をしています。最短7年、だいたい8年前後の勉強が必要と考えてもらっていいかもしれません。

司法試験,行政書士試験

行政書士試験も難しくなり、学んだことが司法試験に活かせることも多くなりました。

私の印象ですが、行政書士試験合格者のレベルは、法学部卒業くらいのレベルです。

とすると、単純に勉強時間は、残された4年間前後ということになるでしょう。もちろんこの4年間は予備校に通う、もしくは、法科大学院に入学して徹底的に勉強することになると思います。

行政書士試験合格者の初任給は大卒程度であり(私の受講生で事務所に入所した人達からお話を聞くと、だいたいそれくらいでした)、行政書士試験合格者のレベルの評価は世間的評価ともかけ離れていない気もします。