行政書士試験/行政書士のキャリア・開業

資格取得後の独立体験記 第30回 士業連携の難しさ

士業同士が連携して仕事の紹介をし、この循環によって依頼数が安定していく。いろいろな本に書かれている仕事獲得の方法です。しかし、これはなかなか難しいというのが実感です。そこで、士業間の業務連携の難しさについてお話をしたいと思います。

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド

はじめに

士業同士が連携して仕事の紹介をし、この循環によって依頼数が安定していく。いろいろな本に書かれている仕事獲得の方法です。しかし、これはなかなか難しいというのが実感です。そこで、士業間の業務連携の難しさについてお話をしたいと思います。

難しい異業種交流会

士業はどうやって業務連携をしていくのでしょうか。普通の人は弁護士や公認会計士の友人はいません。それは新人行政書士も変わりありません。そこで行われるのが異業種交流会です。

士業の異業種交流会は様々な他士業が集まります。目的は業務連携をして人脈や依頼を獲得することです。しかし、私の経験から言うと、これがなかなか難しい。

自分の依頼者に他士業を紹介するときは慎重になります。たった数時間の歓談で仕事を紹介するほどの信頼関係を構築するのは難しく、紹介先に問題があるとその依頼者からの信用を失ってしまうからです。

もちろん方法がないわけではありません。何度も会合に顔を出していけば話は別でしょう。また、若手同士など駆け出しの苦労を共にしていると、意気投合することもあります。いずれにせよ、異業種交流会で業務連携を目指すのであれば、時間と回数をかけて信頼関係の構築を行っていくしかありません。

他士業のネットワークの作り方

では、異業種交流会以外の方法でどうやって他士業とのネットワークをつくり、業務連携をはかるべきでしょうか。相続の仕事をしていると税理士や司法書士が、ときに弁護士が必要となります。業務連携とまでいかなくても、他士業とのネットワークはつくらなければなりません。

そうなると、やはり、人からの紹介です。特に、新人は人からの紹介に頼らざるを得ないと思います。ただ、私自身、人からの紹介してもらった先生とトラブルになったことがありました。

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お金目的でない相互補完の業務連携が理想なのですが……。

この経験から言えることは、紹介してもらう先生に、現在・将来にわたり仕事を依頼している人から紹介してもらうのが一番です。例えば、税理士と顧問契約をしている会社の社長から、その税理士を紹介してもらうなどです。

なぜかというと、その先生がいい加減な仕事をすると、税理士に対する会社の社長の信用を失墜させ、仕事に影響がでる可能性があるからです。

自分が紹介した仕事を通じて、つぶさにその先生や事務所の仕事ぶりを観察・選別して、ネットワークや業務連携へと進めていくべきだと思います。

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