子育て/イヤイヤ期

魔の2歳児の対処法は?子供のイヤイヤ期を乗り切る心がけ

子どもの第一反抗期「魔の2歳児時代」。子供のイヤイヤに、ママはついイライラしがちになりますが、二歳児ならではの心の葛藤を理解すると、また違った見方ができるようになります。子どもの心の中を解説し、この難しい時期を過ごすための接し方の秘訣、対処法をご紹介します。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

魔の2歳児、イヤイヤ期の子育てに心がけることは?

魔の2歳児との付き合い方

イヤイヤ期は世界中の子が通る道

ママを悩ませる「魔の二歳児時代」。心の成長の大事なステップであると分かっていても、ついイライラしてしまいます。この記事では、魔の2歳児の心の中をのぞきながら、イヤイヤ期をいい形で過ごしていくための秘訣をお伝えしていきます。


<目次>

 

魔の2歳児期は世界共通の特徴!成長するための大切なステップ

育児は何にも変えがたい素晴らしい経験です。ただ、1人の人間を育てるという事の大きさゆえ、時おり、「参った!」という時期もやってくるもの。その代表例が、魔の2歳児期ではないでしょうか。

この時期のことを英語では「Terrible twos(テリブル・ツー)」と言います。そのままズバリ、テリブルな(猛烈な、恐ろしい)二歳児! 世界中の子ども達が共通して通過する発達段階の1つです。そして、その裏では、世界中のママたちが同じように奮闘しています。
 

魔の2歳時期、育児で誰もが経験する母子のバトル

ではいったい、魔の2歳児はどれくらいの頻度でママに反抗するのでしょうか? アメリカの大学が行った研究に、魔の2歳児の実態を数値化したものがありますので、ここでご紹介したいと思います(*)。

その研究は、60人のママとその子ども達を対象に行われました。時期は、子ども達が、二歳半のときと三歳ちょうどのときの2回。各家庭へ訪問し、子どもとママとのやりとりを計測しました。

子どもの「No!」から発生する母子の言い争いの頻度には幅があり、一番少ない家庭で1時間に5回、一番多い家庭で1時間に55回という結果でした。このデータを見て、「1時間に55回も?」と驚かれましたか? 逆に、「うちなんかそれ以上よ!」と思った方もいらっしゃるかもしれません。 

このデータから分かるのは、この時期の子どもを育てているご家庭では、多かれ少なかれ母子の言い争いはあって当然だということ。子どもの反抗に、つい感情的になってしまったという経験を誰もがしているのです。
 

イヤイヤ期の子どもが抱える葛藤とは?心は体よりゆっくり成長する

魔の2歳児は心が成長中

魔の2歳児は心が成長中

母子のバトルはあって当たり前。でも、できることなら、少しでも心穏やかに過ごしたいのが本音です。こんなとき、魔の二歳児の心の中で何が起こっているかが分かっていると、顔を真っ赤にして歯向かってくる姿も受け入れやすくなります。

イヤイヤを連発する子どもたち、実はこの時期、ある葛藤に悩んでいます。その葛藤とは、自分の身体能力と精神的な強さのアンバランス。

「ボクは走ることもできる」
「ワタシは高いところにも上れちゃう」
「おしゃべりも上手、自己主張だってできるもん」
だけど、
「ママに抱っこしてもらわないと不安になっちゃう……」
「ママがいないとさびしくて泣いちゃう……」
という葛藤です。体でできることに心が追いついていない、そんな状態なのですね。

ネンネばかりの赤ちゃん時代を抜け、はいはいを経て、つかまり立ち、一人歩き、初めてのおしゃべり……と劇的な成長を遂げる最初の2年。人間の一生を見ても、これほど急速に発達を遂げる時期はありません。すぐそばでその成長を目の当たりにするママからしたら、「なんて子どもの成長って早いんでしょう!」と感じずにはいられませんね。確かに、目で見える部分、つまり、身体の成長は驚く早さです。でも、目には見えにくい心の成長は体よりもゆっくりと進んでいくのです。

「この子も日々もがいて頑張っているんだわ」

そう捉えてあげると、その姿を愛おしくさえ思え、ママのイライラも緩和されやすくなります。
 

魔の2歳児には押すよりも引く作戦で!

第一反抗期は、子どもの心がグンと伸びる時期、いわば心の成長期なのです。子育て心理学的に見て、この時期のママのアプローチとして最適なのが、いつも以上に子どもとの絆を意識すること。

この時期のピリピリした空気を上手く緩和する秘訣は、絆を強めることにあります。子どもにイヤイヤを連発されると、ついママもはねのけたくなってしまいますが、真っ向から感情的に勝負してしまうと、子どもはさらに反抗し、ママは大爆発と負のスパイラルに突入してしまいます。この時期こそ、引き寄せる、抱きしめる、そうすることが心の成長期をいい形で乗り越えるコツなのです。

なお、この時期の絆の重要性については私の著書『輝くママの習慣』でも詳しく触れていますので、もっと知りたいという方はぜひご覧になってみてください。
 

ストレスがたまったら、ママが見方を変えてみよう

反抗期の渦中にいると、ついついママの感情も乱れがちになるもの。そんなときは、大声で怒鳴ってしまう前にあえて1回深呼吸、そして次の言葉を自分自身につぶやいてみましょう。

「今のイヤイヤでまた心が1つ成長したわ」
「心はゆっくりと成長するもの!」
「この子は、今、大きな壁を乗り越えている真っ最中、がんばれ!」

子どものイヤイヤも、別の見方をしてあげると、これまでとは違ったものに見えてくるはずです。どうせ通る道ならば、お互い手をつないで進んで行きたいもの。ママから気持ちを切り替えて、魔の二歳児時代をポジティブなものに変えていきましょう。

 

魔の2歳児に悩む親への参考図書

 

【関連記事】
*出典:アメリカの学術誌Child Development(2008)「The Quality and Frequency of Mother-Toddler Conflict: Links with Attachment and Temperament」より
 
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